居眠りのFriend
パーン!
教室に快音。クリアーな音が教室中に響きわたる。と、同時に音の割にはだが、そこそこの痛みが背中を襲う。
「ん・・・?」
「起きましたか?」
真っ先に映るのは後ろの席の女子。宮本奈央。勉強、スポーツ完璧。普段はこのように敬語で話すが、友達も多い。最近ショートカットにして、似合ってる。
「え?まぁ・・・。」
スパーン!!
再び快音。
「いってぇー!何すんだよ!!」
「いえ、まだ眠たそうだっだんで・・・。後、うるさいです。」
「ぐぐぐ・・・。」
確かに教師含め生徒からすごい視線を感じる。
□■
休み時間。
「はー終わった・・・。ん?」
―休み時間も勉強か・・・。本当に努力家なんだな・・・。
そこでパタンと教科書を閉じ、こっちを見る。
「どうかされましたか?」
「ん?あ、いや休み時間でも勉強するんだな・・・と思ってな。」
「えぇ。まぁ携帯とか触ることもありますが、宿題が手付かずで・・・。次の物理の宿題が・・・。」
そういや、昨日の夜やったな・・・。
と、ふと昨夜のことを思い出し、そこでさっとプリントを差し出す。
「提出物だろ?使えよ。」
「いいんですか?」
「当たり前だ。」
「では、遠慮なく・・・。」
俺のプリントを受け取ると、目の色を変えて宿題に没頭する。意外と宿題とか授業前にやっているのだな・・・。
□■
物理の時間。
「ということで今日から波の勉強に移る!同時に中学で習った回路とかの問題の応用したこともやるからな。」
―波・・・ということは音波やらの類か・・・。しかも電気回路関係も一緒にか・・・。まぁ、俺は一応国家アマチュア無線3級の資格持ってるからそんなに難しくはないだろうな・・・。
運動方程式やらはあまり得意ではないが電気関連の話は得意だ。
□■
昼休み。
―腹いっぱい・・・。
お弁当をがっつき屋上へ向かう。
カーンカーン。鉄と鉄のぶつかり合う音が鳴り響く。
未来の池田を乗せた車が着陸?した時に抉れたと思われる本館と情報館の間。
そこで、再び宮本の姿を見つける。
「珍しいな・・・。一人で食事か?」
「あら、山口くん。そうですね。あそこはお気に入りだったんですが・・・。」
そう言って宮本が指差したのは情報館の屋上。
「なるほど・・・。」
「横座ります?」
「・・・わりぃ。」
そう言って俺は素直に宮本の隣に腰を下ろす。と、目に入るのは複数のプリント。
今日の物理の時間に再び宿題と手渡されたもの。が、相当悩んでいるのか解かれている問題数の割にプリントの汚れが激しい。
「分からないのか・・・?」
「え?何故分かるんですか?」
「明らかに汚いだろう。しかも所々計算式が見え隠れしてるし・・・。」
―あ、こりゃ根本的に出来てねぇな・・・。
電流を求める問題で宮本はΩの法則を利用している。出るのは出るのだが・・・。
「この問題。悩んでるみたいだな・・・。これはΩの法則ではなくて、普通に足し算で出るぞ?」
「え!?そうなんですか!?」
「あぁ。こういうのは得意なんだ。」
意外そうな目で見つめる宮本。心外と嬉しさがやってくる。
そこで、気がつくのは物理のプリントのほかバンドブックも一緒に置かれている。
「宮本。ギター弾くのか?」
「え!?またまたなんで分かったんですか?」
「バンドブック。」
そこではっとした表情になり、慌ててそれを隠す宮本。
「これ、姉の形見なんです・・・。」




