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無駄なQuestion

如月は若干不思議そうに書いていたが俺が割と深刻に言ったせいだろうか。

何も質問せず、紙にいろいろと書いていく。

最初は経緯。後半ではほとんど事象だったが・・・。

差し出した紙を左目で見てみる。


0.29284739202038474739323239057938462907539078926593826598234753297490741907492138729723975492307542039875


最初の桁。変えることが出来ると訴えてくる。

「なぁ。もしもさ、彼氏との出来事を無かったことに出来るといったらどう思う?」

「構わないよ。何かアテがあるの?」

「如月はきっと覚えてない。それでもいいか?」


少し悩んだ顔をする。


暫くの沈黙の後。

コクリと首を縦にふる。


書き出した数字をまじまじと見る如月を横に俺は必要なところだけ簡単に変えていく。

「何してるの?」

「分からないだろうが、そのうち分かる。」

変えれば記憶は基本的になくなる。でなければ”なかったこと”にはならない。


プツン!意識が一瞬閉じる。


ゆっくりと。変わったことを確信しつつ目を開ける。

目の前には答案用紙。

―あぁ。そうか。気づいたあとにわかりやすくするためにシチュエーションも加えておいたんだった。


”なかったことに出来る”とは言えどもなかったことをあったことにすることも出来る。

今回は俺が物理の追試にかからず如月だけが追試となり、それの勉強を教えているということにする。

こういったことを設定しておかなければ、訳の分からない立場に立たされてしまうということもなくはないのだ。


「だから、ここは2分の1mvの2乗に代入するんだよ。」

「kは?」

「それはばね定数!」


どうやら、なかったことにすることには成功したようだな。

想定していた通りのことが起きている。


「あはは。そっか。あ、ねぇねぇ。休憩がてら聞きたいんだけどー。」

「ん?」

「ぐっちって彼女とかいるの?」

・・・あれ建設しちゃった?フラグ。

関係保持にしたからか・・・。彼氏という壁がなければ普通に立ててるよなフラグ・・・。

「あーいやいないけど・・・。」

「ふーん。さよか。」


まぁ・・・。気付かなかったことにしておくか・・・。

「私も彼氏がいなくってさー。でも、何でか誰かと付き合ってた様な気がするんだけど。」

げっ。意外と脆いのか?でも、脳ではなく体が経験しているからか・・・?


「でも、なんかありがとう。」

「なんかって何だよ・・・。」

「あー買い物忘れてた。付き合え!」

やばいことやってしまったかも・・・。

「わーった。わーったからブレザー引っ張るのはよせ!」


□■


市内のショッピングモール。

「おい・・・。一体どうしてこんなに買うんだよ!」

「まぁまぁ。細かいことは気にせずー!」

俺の両手には荷物がしっかりとあった。


「こんな荷物。肩もげちゃんじゃん。」

「さらっとえぐいこというなし。」

「まぁまぁ。」


□■

「ぜぇぜぇ・・・。」

「弱。」

クッソー。これはあんまりだろ!と心では叫んでいたが仕方ない。


「ほい。ご苦労!」

「お?アイス。気が利くー。」

―案外、如月って人を見てるんだな・・・。

渡されたアイスを食べながら俺は一日の行動を思いながら考えていた。

「元気出た?」

「へ?」

間抜けな声を上げてしまう。

「ほら、最近疲れぎみだったっしょ?というわけで荷物運びだけど折角だから買い物にでもと思って。あはは。」

ここまで来ると心を読んでいるとしか・・・。

でも、嬉しいな。


「あぁ。すまん。」

「ぷぷ・・・。何真剣に答えてるん?」

「は、はぁ!?」

俺は一気に沸騰したヤカンの如く顔を真っ赤に染める。

「赤くなってやんのー。」

―やっぱ見透かされてるんかな・・・。

熱くなった顔を冷やすように12月の寒空に顔を当てる。

ん?夜景綺麗なんだな・・・。ここ。


「わぁ。夜景綺麗だね。」

「夜までショッピングモールにいることはあんまりないからな・・・。」

片田舎と言っていたが割と都市なんだな。まぁ、3大都市圏の一つのうちの付近だからな・・・。


「ほい。ちょっと気が早いけど、今日の報酬とクリスマスプレゼントを兼ねてこれをあげる!」

と、手渡されたのは、ネックレス。

おしゃれな感じのネックレスだが、よく見るとMasahikoの文字。

「なるほど、オーダーか・・・。」

「まぁ、なんか分からないけどいろいろお世話になった気がするから!」


あれがこいつにとって良かったことなのだろうか・・・。分からない。

渡されたネックレスを首にかける。


「さて、そろそろ戻るか。家までそう遠くないが。荷物は持って行ってやろう。肩がもげるらしいしな。」

「さっすがー分かってるー。」


□■

如月宅前。

「遅くなったな・・・。」

「うん。今日はセンキュー。」

「ん?おぉ。俺も急いで帰らないと親が心配するな・・・。また明日!」

俺は手を振りつつ足はもう自宅の方に向かっていた。

「おやすみ・・・。」


如月は握りしめていた手のひらをそっと開ける。

そこには山口を全く同じネックレス。真ん中にはMutsukiの文字。


「好き・・・。私、あなたのことが好きなの・・・。」



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