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最初のContact

俺は軽率だった。


何も気付かなかった。


未来がこんなことになるなんて。


過去は変えられない。


2012年の俺はタイムマシンを知らない


だから、言える。


本当に未来は決まっているのだろうか。


その行動を未来を


未来を


本当に変えてくれるのか?


□■

A.D.2012.11.18

俺は大阪近くのある田舎県のフジ会館と呼ばれる場所の前に立ち尽くしていた。

おっと、俺の名前は山口正彦。アプリケーションを開発し、マーケティングするのが趣味の高校1年生。

そんな俺が何故街の総合文化センターの前にいるか。

それはアプリ開発研究所 通称:あぷらぼ。の拠点地だからである。

自宅は親もいる上、まともにネットが繋がっていない。ネットサーチをかける時はいつもスマホから行なっている。

そのフジ会館の二階フロアの一部。ここはイベントのある日以外はほとんど誰もいず、殺伐としている。

それにこのフジ会館を選んだのには他にも理由がある。ネット配備に加え、図書館や、ロッカー、必要ならば300円程度で楽屋の拝借など行動するには勿体無いほど使いやすいためだ。

さて、その二階のフロア。

俺がそこで入ったのは2階のホール。

□■

因果律理論の講義。

というのが今回の内容。

―そういや、近くに大学があったな・・・。講義には丁度いいのか?

しかし、まだそんな歳の離れたようには見えない女が講義を行なっている。

「じゃぁこのあとはもっと詳しく 教授の中松氏から話をしていただきます。」

「さて、私が今回話す内容は少し今回の趣旨とは異なります。我々の技術ではまだ、過去や未来には干渉出来ない。だが、時々未来から干渉を・・・」

「待て!」

俺は気がつくと声を上げていた。

「ん?君は大学生か?」

「そんなことは関係ない!先ほど未来から干渉されると言ったな!それはない!あるのならば、未来を変えた影響が我々にも降りかかるだろぅ!?」

「黙っておけ!おい。その高校生を引き擦り出せ!!」

ガッシ!警備員に両腕をつかまれる。

「ま、ぁ待て!!!」

□■

「クッソー。あの中松とか言う教授、気に入らない。」

頭を抱えていると前のソファーで俺と同じように頭を悩ませ、スマホを見つめる先客。

「で、乙4(危険物免許)の試験どうなんだ?」

「それはよゆー。高校1年レベルの物理と化学が分かってりゃあ問題ないから・・・わからないのはこのアプリだよ!」

「ふむ。今日も更新されているのか?」

「うーん。フジ以上のスペックのPCで探ったけどやっぱりアプリ自体にこれといって何かがあるわけじゃないんだよなぁ・・・。」

この坊主の男は乙こと飯島智。何かと俺の我儘を実現してしまう凄腕。

さて、俺たちが今開発しているのは地図アプリ「View World」。完成には至ったものの起動すると早々にバグが見つかった。

というのも機能の一つ「マーキング機能」が何故か開発者である俺たちよりも前からマークされているのだ。要は開発した俺たちより先に誰かが使ったということだ。

それだけじゃない。アカウントで起動するように設定してある。

つまり、誰かが登録するより前からアカウントハックを行い、マーキングを使用した。

極めつけはマーキングも毎日更新だ。今後搭載する予定だったマーキングの毎日更新。

それが何故か完成直後から搭載されている。

つまり、誰かが完成する前からこのアプリを使った。というバグが出たのだが・・・。

そこで乙は少し顔を渋らせ、言い放つ。


「なぁ。あんまり考えたくないけど・・・。何で最初から使われていたのかは分かんないけど・・・もしかしてバグではなく本当にこの場所に何かあるのかもよ?」


ぐぐぐ。やはりか・・・。考えた理由の一つだな。


翌日、二人の予定を無理やり合せ、俺たちはマークされた場所に向かった。

そこはある立体駐車場。が、この立体駐車場は有名だった。何故ならば。


―ここには1年以上放置された車がある。


「・・・マークは?」

「例の車。」

「・・・・・・。」

車に鍵はかかっていなかった。

すると、乙が直ぐに大声を上げ、俺に新聞を見せつける。

「分かった分かった。何だ?って・・・ん?」

そこには歴代の総理とは全く異なる名前があった。

「そ、それよりも日付。日付見てよ!」


「に、2015年・・・3月2日・・・?」

「・・・今って2012年だよね?」

「あ、あぁ。何故未来の新聞がここにあるんだ?」

新聞は気になったが、まずは車内搜索。すると次は鞄が出てくる。

―車の所有者の鞄か・・・?

鞄の中は財布と謎の文書だけ。財布には見たことのない硬貨や紙幣。

「ッ!?」

そこで俺は絶句してしまう。


「お、俺の免許証!?」




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