3/5
食堂
食堂は、お昼時と言うこともあって、かなり賑わっていた。
「おう、こっちこいよ」
それでも、友人たちが俺たちを見つけてくれたおかげで、席に座ることができた。
「すまんな」
「いいってことよ。それで、どうだい」
「ま、ほどほどに進んでるさ」
椅子に座りながら、俺は友人たちに話す。
なんといっても、6歳のころからの仲だから、これで大体話が通じる。
「問題はさ、テスト、もうすぐだろ。どうする?」
「俺は、普通にしっかりと勉強するさ。母語、ルーマニア語はしっかりできるからな」
「少しぐらい教えろよ」
友人に言われるが、飯を食うことを優先する。
「いいじゃないか、教えろよ」
友人が続けたから、持っていた電子辞書を見せる。
「んじゃさ、これで勉強しろよ。俺が使った奴だから、飯を食い終わるまでの間だけどな」
「よっしゃ」
友人がすぐに受け取って、電子辞書を開き、いろいろと操作を始めた。