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眼下の光景

峠につくと、眼下は一面の光の海だった。

「すげぇ」

俺は思わず声をあげる。

犬はわずかに俺から遅れて峠のてっぺんにたどり着いていた。

「はっはっはっ、そうか、すごいか。確かになんとも言えぬ気持になるのは分かる。だが、ここには、大統長がいるはずだ。まあ、500年前にはな」

「いなかったらどうするんだよ」

俺は歩き出している犬に聞く。

「んなもの、次の古国目指して旅を続けるだけさ。それだけだろ」

その時の犬の表情は、確かに笑っていた。

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