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反撃
「うっ、ごぁ」
声の様な声ではないようなものを吐きながら、彼は頭を抑えて仰向けに倒れる。
一瞬で意識を失ったようだ。
「きさまぁ、妖術使いか!」
「はぁ?」
彼の仲間のような、見てくれが明らかに山賊の姿をしている男がこっちに叫んだ。
だが、俺はさっぱり分からない。
「その杖、なにか仕掛けているんだろ!」
どうやら、魔法の杖とでも思っているようだ。
ならば、そのことを利用させてもらうとしよう。
犬は、俺の後ろにいるが、それだけで何か力が湧いてくる。
なぜかは分からないが。