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部屋
その日の夜。
俺はもう眠っていたが、誰かが近寄る雰囲気で自然に目が覚めた。
すぐ横で寝ているはずの犬を手探りで探すと、もふもふとした感触がある。
「……ああ」
犬はすでに起きていて、臨戦態勢を整えていた。
足音から、だいたい複数、それも3人や4人じゃなくて、10人近くいるような感じがする。
誰もしゃべらない、この緊迫した空気の中、俺は立ちあがり荷物をしょって犬のところへ移動する。
引き戸の前で、立ち止り、こちらの様子をうかがっているようだ。
襲ってくると言うことが分かった今、俺は荷物の中を探り、武器になりそうなものを見つけた。
やはり、俺には傘しかないようだ。