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川
翌朝、女将さんに見送られて、俺たちは旅の続きを始めた。
「さて、この山を越えると、大きな川が待ち構えている」
「川かよ」
「幅はざっと360間てところだな」
メートルに直すと、654.5mてところだ。
念のため言っておけば、日本国内で一番川幅が広いのは荒川だ。
とはいっても、河川敷も含めてになるため、本当の川の幅は案外少ない。
今回もそんな感じで山越えに挑んでいた。
ぜぇぜぇと息を上げながら、犬の後ろをずっとついて歩いていく。
犬が先導しているのは、俺の体力の問題もあるが、犬が先に歩く事によって、街道を歩いている人たちが左右にのいてくれるということも会った。
峠に着くと、川が眼下に広がる。
「…さすがに360間の川幅だな」
かなり広い。
それが第一印象だった。
