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襲撃
その日の真夜中、誰かが部屋に近づいてくる気配がした。
気配は、完全に消せてなくて、まず、犬が起きたようだ。
それから時を経ずして、俺も起きる。
「…誰だ」
犬にしか聞こえないような小声で、俺は聞いてみる。
「さあな」
犬も同じぐらいの声量で答える。
ふすまの向こうで、2人ほどの声が聞こえる。
「ここか」
「おう」
とたんに、踏み込まれる。
「お前ら、おとなしくしやがれ!」
言った途端、その二人は視界から消えた。
「……え、どういうこと?」
俺は身構えていたのに、彼らが視界から消えたことが理解できていない。
「危のうございましたね」
声をかけてくれたのは、女将さんだ。