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就寝
晩御飯を食べ終わると、女将さんがお膳を下げに来た。
「それでは、失礼いたします」
女将さんは、ふすまを閉め、それから俺は犬に話を持ちかけた。
「で、これからどうするんだ」
「大統長へ会う。それが今のところ最大の目的だからな」
「で、俺は帰ると」
「そう言うことだな」
これまでの確認をしている俺だったが、特に話すこともないので、それからは、部屋の中は静かになった。
そして、俺だけが風呂に入り、布団を敷き、眠った。
犬は、布団に入らずに、俺の足元あたりに丸まっているようだった。
何かを警戒するかのように。