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一つ谷越えるのに、半日ほどかけた。

途中に沢があり、それを越えるのに難儀したからだ。

「このままだと、宿場町に着くのは日が暮れてからになりそうだな」

軽快に歩き続ける犬の後ろを、息も絶え絶えになって俺はついていく。

「んなこと言ったてよ、荷物持ちながら、ひざ下まで川にどっぷりつかりながら、歩くんって、大変なんだからな」

「そんなことしらないさ。早く元の世界とやらに帰りたいのだろ。なら、早く行かねばなるまい」

そうせかされて、早歩きで道を上がっていく。

だからだろうか、宿場町の入口に着いたのは、もうすぐ日が見えなくなるという頃合いだった。

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