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入城許可
血相変えて役人らしい人が、さっきの侍と一緒にやってきた。
「貴様らが、こやつをひっ捕らえし者どもか」
「ええ、まあ。そんなところです」
俺は役人に言った。
「うむ、こたびは大義であろう。主からも、特別に入ることを許す旨が伝わっておる。犬よ、おぬしも今回のみは同行せよ。だが、あのことを忘れたわけではない。ゆめゆめ忘れなさるな」
「あいあい、わかってるって」
犬は、しっぽを振りながら、俺の横をテトテトと歩いてついてきた。
これから、会いたいと言っている城主と謁見することになると、役人に言われた。