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「クリスマスギフトは、私よ!」と言われた日

作者: 戯就航

「クリスマスギフトは、私よ!」


 玄関を開けたらそこには。

 

 サンタコスをした神崎が立っていた。

 彼女は頬を赤めながらも、堂々と言い放つ。

 鼓動が高鳴る。え、可愛い。美しい。綺麗。女神。ただ、口から天邪鬼。


「は?」

「うぐっ」


 神崎は怯まない。


「山田、貴方の家でクリスマスパーティーよ!」

「え? うちの晩飯、トンカツだぞ?」

「ふっふっふ、私を誰だと思ってるの?」


 ――パチン。

 神崎は指を鳴らした。すると、十人は居ようかという執事の軍勢が現れた。


「みなさん、ここに届けてください」

「承知しました」

「わっ、ちょ」


 執事たちは神崎を筆頭に、うちに押しかけてきた。止められず、侵入を許す。


「父さん、母さん! 頑張って止めて!」


 声を振り絞り、リビングの父さんたちに呼びかける。だが、父さんたちは笑顔で執事たちを迎え入れた。まさか、グルだったのか。


「ほら、冷める前に食べるわよ!」


 神崎に手を引かれ、リビングに向かう。テーブルの上には、七面鳥やケーキがセットされていた……。




「ふー、美味しかったわね」

「……ああ、そうだな」


 サンタコスの神崎が、俺の椅子に座っている。

 ベッドに座り、向き合う。可愛い。チラチラ見てしまう。


 ……目を疑い、二度見する。

 

 神崎は唇を噛んでいた。涙目になっていて、呼吸が荒くなっていた。


「お、おい。大丈夫か」


 立ち、神崎の隣にしゃがむ。


「ひっぐ、ご、ごめん。私っていつもこうで……。勝手に突っ走って、迷惑かけて……」


 神崎の涙が溢れる。俺はいつの間にか、ハンカチを手に持っていた。


「これ、使って」

「う、うん。ありがとう」


 神崎はハンカチで顔を覆い隠した。


 部屋に神崎の泣き声だけが響く。


 俺は、神崎の手を取った。


「神崎、クリスマスギフトの話なんだけど」

「う、うん」

「あれって、本気か」


 神崎は俯いたまま答える。


「……うん、本気」

「……」


 神崎を見つめた。


「神崎。受け取っても、いいか」

「……何を?」


 神崎は潤んだ目で、見つめてくる。


「……クリスマスギフトだよ」

「クリスマスギフトって、何?」


 神崎はハンカチを取り、顔を全て見せた。その顔は笑っていた。


「神崎ぃ!嵌めたな!」

「嵌めたってなにさ、それよりクリスマスギフトって何?何のこと?」


 くっそ、こいつのやることなんて分かってたはずなのに!

 

 それでも息を呑み、神崎の手を強く握りしめた。


「神崎、お前を受け取りたい。お前を、くれ」

「はいっ、喜んで」


 抱き合う。


「一生大事にする」

「……ありがと」

読んでくださってありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
人生で一度は言われてみたいセリフですね。 神崎の執拗に言質を取ろうとするさまが面白かったです。 それも山田がどういう行動に出るか予想できるほどお互いの関係が深いからこそなんでしょうね。
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