第九章
82日目。
いつもの様に、この世界の全てのものに感謝の祈りを捧げる。
俺は考える。
今日大黒蛇が恐らく復活する。
それを倒してアダマンタイトを取得して持っていく。
しかし、何故師匠が現れなくなったのか。
今までは次の課題を、まあ、そんな親切丁寧ではなくだが、次の課題を示してくれてた。でも今回は違う。
恐らく今日、大黒蛇を倒し、アダマンタイトを入手すれば、その次の試練を与えてくれるだろう。
しかし、今日を迎えるまでの間は、師匠が何を求めているか分からず、真影移動の生成スピードを重点に訓練してきた。
午後、ダンジョンに向かった。
ダンジョンに近づくと、奴の気配が外にまで溢れ出ていて、奴が復活してることを知らせてくれてる。
俺はダンジョンの階段を一気に駆け下りていく。
その先に待ち構えているだろう大黒蛇に向かって。
初めての時は死に至らしめられる攻撃を受けた。
しかし、その後は3回も倒している。
しかも木刀でだ。
今は真剣を腰に履いている。
少しも負ける気はしない。
「シャァァァァァッ」
大黒蛇の奇襲に対しても即座に黒穴引を口元に、同時に黒穴出を俺が走って来た後ろに。
その後も真影移動で奴を翻弄し、一気に黒虎徹で首を落とす。
申し訳ない程あっけなく終わり、アダマンタイトを回収する。
すると、俺が今まで何故気付かなかったのかと思うように、俺が降りてきた階段の、丁度反対の所に大きな扉を見付ける。
俺はその扉の先に好奇心を抑えきれない衝動に駆られながら、その先に索敵を行うと、この同じフロアに大黒蛇程ではないが、蛇のような他の魔物の反応が多数ある。
俺は、念の為、この扉のすぐ横に新たに黒穴出を作っておく。
大きな扉を開け、進んでいくと、いくつか迷路のように入り組んだ通路の先に、下の階へと繋がる階段を見付ける。
俺は所々現れる蛇の魔物を退治しながら、その階段に向かった。
「なんだ、この種類の蛇は。」
あからさまに毒を撒く蛇や跳ねて上空から襲ってくる蛇、さまざまな蛇を狩りつつ進んで行き、下の階への階段に辿り着く。さまざまなダンジョンならではと言えるような、トラップや階層ごとの魔物を倒しながら降りていくと、丁度10階目になる階段で、
「何んかいるな。」
索敵でそのものの形を確認すると、
「うぅ゛、ばかでっかい蜘蛛だ。。。」
50段位の階段を降りていくと、張り巡らされた蜘蛛の巣の上。
「なんで!?」
大黒毒蜘蛛(自称)は俺の出現に驚きつつ体を反転させ、襲ってくる。
俺は奴が噴き出す糸を避けつつ、奴の懐に入り、左右に4本ある足を1本ずつ切り倒していく。
足を3本切り倒したところでできた大きな隙に、頭と腸とを繋ぐ筋を切り落し、絶命させた。
俺はこの蜘蛛の体を収納したくはなく、魔石が無いかを当たりを付けて探すが、中々見付からず、結局蜘蛛の頭の、人でいう眉間の辺りに、人差し指の端位の大きさの石を見付ける。
綺麗な黄色と黒とが斑に混じったマーブル模様とでも言うか、それはそれで綺麗な石だ。
その魔石を回収すると、大蜘蛛の中心辺りに、薄白く光る球体を見付ける。
「ドロップ品だ。」
光の中に両手を差し伸べて受け取ると、白く輝く糸の束だ。
「蜘蛛の糸か?」
自ら輝くシルクの様な糸を見て、明らかに高級な素材だと認識する。
それを収納し、張り巡らされた蜘蛛の巣を、俺が通れるだけ切って先に進むと、また、部屋の奥に扉がある。
先に探索を行うと、また迷路のように道が張り巡らされているが、一本の道の先に下に降りる階段を見付ける。
俺は所々現れる蜘蛛を退治しながら、その階段を目指す。
それを繰り返し、また10階目になった階段の手前に着くと、
「またやっかいなものがおるな。」
形を確認すると、大きな蜥蜴のようだ。
また50段位の階段を降りると、大黒蜥蜴(自称)の背後に出る。
慌てた大黒蜥蜴が反転し、毒のまとまった球体を吐き出す。
俺は慌てず生成した黒穴引でそれを吸い取り、後ろ10m先に生成した黒穴出でそれを吐き出す。
何か、階を降りる度に、部屋の魔物が弱くなっていく気がする。
まあ、そんな気はほっといて、次の攻撃を予測する。
大黒蜥蜴は長い舌を俺に向かって伸ばす、俺はそれを黒虎徹で切り伏せようとするが、それは切れず、俺の黒虎徹を巻き取り、自信の口まで引っ張り上げる。
「ちっ。」
俺は思い通りにならず苛立つが、刀ごと引っ張られている体に、重力5倍を付与し、黒虎徹も奴の舌から引き抜き、それを阻止する。その直後に奴が尻尾で攻撃するが、それを切り落とし、その勢いで大黒蜥蜴の眉間に黒虎徹を突き入れる。
どさっっと大蜥蜴は倒れる。
俺はその鱗に素材的価値を感じるが、既に4体もの大黒蛇を収納している自分にとっては対して価値を感じられず、魔石が無いか切り刻む。
やはり心臓の中に胆石の様にあったその石は、先程の蜘蛛の石より少し小さいが、黄色と黒の斑模様の石だ。
「これがこいつの魔石か。」
そう言って魔石を回収すると、また、大黒蜥蜴のいた所に白い球体。ドロップだ。俺はそこに手を入れ取り出す。
すると、先程切り倒した奴の尻尾があった。
「え?これがドロップ品??」
俺はこれが何の役に立つのか分からないが、白い球体の中にあったという事は、こいつのちゃんとしたドロップ品だと収納する。
そこから、またこの部屋の先に扉を見付ける。
そこを進むと、同じように蜥蜴の魔物が犇めく階層を10層降りていく。その階段の先にまた、そこそこやっかいな魔物がいるのを感じる。
探索をすると、そいつは大きな蝙蝠だ。俺は50段の階段を降り、その蝙蝠と対峙する。
今までと全く違う、奴は視覚でも聴覚でもなく、何か別のもので俺を感知している。それを感じながら相対し、大蝙蝠を倒す。
白い球体の中には大蝙蝠の羽だった。それを収納し、またダンジョンを降りていく。
そうしてまた10層降りた部屋には、大きな蟻の魔物の姿だった。
それを倒し、魔石を回収し、今回のドロップ品であろう蟻の牙を受け取り、その先の扉を開こうとしたその時、
「何か物凄い魔物が出てくる!厳戒態勢!」
俺はこの世界に来て初めての言葉に、嬉しさを感じた瞬間、その言葉の意味を理解して体を留める。
「お、俺が危ない魔物??」
俺はこの扉を開けたら全てが終わると感じ、引き返す。
大黒蛇の大部屋に設置した黒穴出まで一気に駆け上る。
俺はそのまま草原に向かうと、程なく現れた師匠にアダマンタイトを渡し、その後のお告げを確認する。
「良し、これで作ってやろう。」
「ほれ、稽古を付けてやる。木刀を出せ。」
俺は黒虎徹を左手に持ち、右手で空間収納からいつもの木刀を引き出した。
「うむ、それが其方の望みじゃろう」
そう言われ、はっとする。
俺は剣の指導を望んでいたが、その先に二刀流を習得したいと。
「マジかっ!?」
確かにイメージはあった。これが最終的に習いたい姿であると。
しかし、やってみるとでは全くといってよい、少しも形にならない。ただ単に両手に剣を持った素人だ。
「ふっふっふっ、こうまで乱れるとはな。」
「まあ、出来上がるまで修行しておれ。」
「半月ほどじゃ。」
そう言って師匠は消えていった。
俺は祠に戻ると考え事をしていた。
師匠が何かを作ってくれるが、出来上がるのはもう加護の期限ぎりぎりだ。
またいちからやり直す二刀流の訓練は行うとして、加護が切れる前に行っておきたい事。そう、街に行く事。俺は明日、街に行くことにする。
83日目。
早朝に祈りを捧げた俺は、二刀流で720通りの型をなぞる。
まだ上手く型にはなっていないが、良い汗はかいた。
朝食をヒョウと摂る。
「今日街に行ってみるが一緒に行くか?」
「くぅうぅん」
「そっか。」
「じゃあ、一人で行ってみるよ。」
俺は初めて街を訪れる為に、黒虎徹は腰紐に掛けつつも、背中に回し、ナイフも右の背中に、一応干し肉を3食分ボアの鞄に、水袋も腰に付ける。
穴の開いた服をお手製の革の胸当てで隠し、更に革のマントでそれらを覆って。
街に向かうと、砦があり、そこに衛兵がこちらを見ている。
「何だ?その汚い姿。お前どこから来たんだ!?」「そもそも何者だ?」
俺はこの世界に来て初めての、人との会話だ。
慎重に、丁寧に。
「あ、あの、俺、彪悟・内平と申します。」
「え?あ!?」「ひゅーご、う、う、うっしぃーらぁー?」
「な、なんだお前、どこの国のもんだ?、どこから来たんだ?、お貴族様かぁ?」
全く会話が嚙み合わなく、俺は戸惑う。
最後の質問には触れず、事情を説明する。
俺はこの森に三ヶ月前に着き、生活してきたと。
やっと人里に来ようとしたと。
門番には全く通用しない。
「俺は、この門をくぐって依頼をこなす奴らが、無事に帰って来るか確認する為にいるんだ。」
「知らない奴が森から来ることなんてあり得ない!」
そういう事か。
そうだとしても俺の事情に変わりはない。落ち着いて説明するだけだ。
全く平行線に思えた会話にも、いくつか理解することがある。
先ずは俺が家名持ちなのは伏せた方が良さそうだ。
そもそも発音できなさそうだし。
それにこの森は魔の森と呼ばれていて、到底人が住める処ではないこと。
そんな所から突然現れた変人。
俺だ。ということ。
色々質問攻めをしていた門番に、代わりの者が現れると、俺は門の中の一室に連れて行かれた。
そこは、狭く人一人が入るのにはやっとの広さなのに、その部屋の先に魔力を帯びた水晶が置かれている。
その水晶には手が触れられない様に部屋には柵がある。
そこに門番は俺を突き出し、
「ここは真実のみ許される間、お前の真実を明かせ。」
そう言われ、俺は一言ずつ自分の話をする。
「お、俺は内平彪悟。83日前からこの世界に来た。それまでそこの森で暮らしていた。」
俺が何かを話すと、水晶が3回白く光を放った。
「お、お前は突然この森に現れたというのかっ?」
「あぁ、そうだ。」
水晶は白く輝く。
「お前はこの国の者ではない?」
「あぁ。」
また水晶が白く輝く。
「き、貴族様なのかっ?」
「貴族?それは分からん。」
またまた水晶が白く輝く。
「ま、まあ、うっしぃらぁあ、だったか。聞いたことのない名だし、何処ぞかのお貴族でもないようならまぁいい。」
「なら何でここに来た?」
「お前は何者だ?」
「お前は・・・?」
俺はその門番に様々な質問をされ、全て答えていった。
そして最後に、
「俺はダンエイクロイドと言う、皆はダンと呼んでいる。お前がこの水晶の前でダンと騙ってくれ。」
俺は良く分からなかったが、騙れという所には反応した。が、俺にはこのダンという衛兵が俺を嵌めようとしているとは思えない。
恐らく水晶が反応するのであろう。
俺は
「俺はダンだ!」
そう言うと水晶が赤く何度も点滅した。
「やはりちゃんと起動してるな。分かったよ。」
「信じられないが、全部本当なんだな。」
「それで?通行税、2000エルドはあるのか?」
「え、えるど?通貨か?無い。」
「だろうな。。。」「なら、冒険者ギルドに直行だな。」「付いて来い。」
「え?あ?どこに行くんだ!?」
腕を引っ張られ、歩きながらダンは答える。
「お前はこの街に用がある?」
「あぁ。」
「お前はこの街に信用はないし金もない。」
「あぁ。」
「お前はこの街で信用と金を稼がないといけない。」
「そうなるな。」
「そこで、だ。今から行く冒険者ギルドで、仮登録し、依頼を受け、通行税と、登録料を払ってもらわないといけない。」
「そんな制度があるんだな。助かる。」
「そうだ。」
「で、俺は何をしたらいい?」
「それはギルドに着いてからだ。」
俺はダンに連れられ、ギルドらしき建物に入る。
おぉっ!まさしくファンタジー。
漫画やアニメやゲームにも出てきたこのシーン。
奥に受付らしきカウンターがあり、手前の左右にテーブルがあり、多くの人が食事やお酒を楽しんでいる。
ダンが扉を開けた瞬間、中の人が一斉にこちらを見る。が、衛兵であるダンを見ると目線は外す、がチラチラとこちらの様子を伺っている。
俺が一人で入ったなら、一悶着あってもおかしくなかったであろう。
「やあ、ミイナ。冒険者の仮登録受付を頼む。」
「あぁ、ダンさん。お久しぶりです。」「か、仮登録ですって?」
「ああ、そうだ。仮登録だ。ミイナ、こいつはひゅうご、一文無しだ。」
「そ、そうなんですね。それでダンさんが。」
「では、ひゅうごさんですか?こちらにどうぞ。」
俺は言われるままカウンターに進む。
ミイナと呼ばれる女性に、一枚の紙を差し出されるが、俺はこの世界の文字が書けるのか。
鳥の羽のペンのようなものを手に取り、インク壺に付け、その紙を凝視する。
一番上の欄は、名前と書いてある。
そしてひゅうごの文字を思い浮かべる。
すると頭に俺の知らない文字が浮かんでくる。
そしてその文字を書き始める。
俺が名前を書き始めると、それまで心配そうに俺を見ていたミイナが、少しほっとした様に、奥から資料を集め始める。
俺はそのまま書き進める。
年齢、20歳。職業、魔法使い。属性、闇。そこまで書くと、その下の欄が、テイマー用の従魔の種類を書く欄になっている。俺は、
「あの、この従魔の欄、俺、従魔というか、一緒に狩りをする魔物というか友達というか・・・」
そこまで言うと、察してくれた様で、
「そちらに書いて頂ければ一緒に登録出来ますよ。」
「あぁ、ただ、森で会って一緒に過ごしているけど、なんて種族の魔物かなのか知らないんです。」
「今日はご一緒ではないのですね。また居らしたときにでも登録出来ますので、空白で結構ですよ。」
「そうですか、じゃあ、これで。」
俺は最後の欄は空白のまま、受付票をミイナに渡すと、
「えっ?闇属性??」
その言葉に近くの者達が聞こえた様で反応する。
「し、失礼しました。そ、その珍しいもので。」
「そうなんですね。俺にはそういうことは分からないので。」
「い、一部では、闇属性は、魔物にしか扱えない属性だと言われてるのです。」
あぁ、そうか。この世界でもそうなんだな。
俺の知る中でも、闇属性は憚れることが多かったよな。
だが、まあいい。こんな有用な魔法を、知らない方が損だ。
「あぁ、そういうことなら。俺は全然構わないですよ。」
そこにダンも加わる。
「ひゅうごは不思議文無しに加え、闇属性の魔法使いだったのか?」
「何が面白いのか知らないが、この後は何をすればいいんだ?」
「ああ、この後は、そこの掲示板にあるクエストをいくつかこなしてお金を稼ぐ。そして門の通行税とギルド登録料を払う。それが払い終わったら、この街の一般市民と同じ扱いになる。が、お前のその恰好。服だけでも買った方が良いと思うぞ。」
ダンに言われなくても思う。
俺の格好は浮いている。
みつかいさんに用意して貰った一張羅に、狩ってきた魔物の皮を被せてるだけ。
俺には40年もの人里で生きてた経験もある。
この街の門に着いた時から感じていた。
だが今はその前に、俺はダンが言う掲示板に向かう。
そこには様々なクエストが掛かれた依頼書が貼り付けてあるが、俺は二つの依頼書を交互に見渡す。
一つはダンとミイナが勧める薬草採取の依頼。
回復薬の成分になる、ヒヤル草、3束で500ユルド。
解毒薬になるキュアポイズン草は1束で300ユルド。
もう一つはゴブリン討伐。3匹討伐して2000ユルド。
更に討伐すればその数に応じて報酬が増えると。
ダンが言う、
「採取のクエストなら西門の先だ、その者に引き継ぎをするぞ。ゴブリン退治なら南門だが、止めておいた方が良くないか?」
俺は迷わずゴブリン退治の依頼書を引き抜き、その場を離れようとしたその時、
一仕事終えた冒険者の一団が、このギルドに戻ってきて、何やら揉めている。
「面白そうで引き入れてやったが、もう必要ない。」
そう言って、一人の女性を投げ出す。
「そ、そんなっ、小銀貨、小銀貨一枚だけでも頂かないと・・・」
「そんなのやれる訳ないだろっ!お前ごときにっ!」
俺も、その場に居合わせる者共も、一才気にすることなく流していたが、棒弱無人な男が発した次の言葉に俺ははっとする。
「闇魔法使いと聞いて、どんなもんかと入れてみたが、何の役にも建てやしない。」
「そ、そんな。バフを掛けました。ドレインを、HPもMPも・・・」
「なーんにも効果はありゃしないなぁ。さっすが闇魔法使い。効果は闇の様に感じられませんでしたぁーー。」
俺は依頼書をミイナさんに渡し、この騒動をギルドではどうするのか目で追う。
「基本冒険者同士のトラブルにはギルドは関わりません。喧嘩や暴力は別ですが。」
そういうミイナさんが、本当はどうにかしてあげたいと言っている様だった。
「私がひゅうごさんに驚いた理由のもう一つが、彼女です。珍しい闇属性の魔法使いの方が、今朝登録されたばかりだったのです。でも・・・」
答えは見るも明らかだ。組んだパーティに認められなかったと。
「ドレインかぁ・・・」
そう思いながら傍観していると、膝から崩れ落ちた闇魔法使いの女性が、パーティリーダーと思わしき男の袖を持ち、懇願している。
それを振り払い、その勢いのまま手を上げる。
「そこまでだ。」
俺はその男の手を彼女の顔に当たる手前で止めた。
「な、なにぃっ?」
「お前はもうこの子に用は無いんだよな?」
「あ、あぁ。」
「なら、ここまでだ。この場では喧嘩や暴力はご法度だろ?」
「あ?あ、あぁ。」
その男はこの部屋中の注目を集めているのを初めて知り、口籠る。
俺は崩れ落ちている女性に向かって確認する。
「お前、先程ドレインを掛けたと言ったな?」
「は、はい。」
「他人にドレインを掛けられる。ということか?」
「はい、そうです。」
「なら十分だ。俺と来い。今からでも小銀貨程度俺が稼がせてやる。」
「ほ、本当ですか??」
「ああ、本当だ。」
「おいおい、文無しの仮登録者が何他人の心配までしてるんだ?」
そう問いかけてくるダンに、俺は言う、
「パーティ登録は必要か?」
「え?あ、Fランクには必要ない・・・」
「なら決まりだ。ゴブリンの確認には右耳、アーチャーなら弓、メイジなら杖か。」
俺はミイナから仮登録証を受け取り、ダンと闇属性魔法使いの女性を影に乗せ、南門へ向かう。
「お、おぉぉぉっ」
「きゃぁぁぁっ」
「悪いな。暗くなる前に片付けたくてな。」
俺はダンを南門で降ろすと、女性に言う。
「俺はゴブリンは得意なんだ。森に入ったら影から降ろすから、そこでバフを貰えるかな?MPがきつければ一つだけでもいいから。」
「は、はい。」
「じゃあ、自己紹介は道すがらってことで。」
俺は街の南の森、俺が大樹を拠点にしてた時の北の森だ。そこに索敵でゴブリンの生息を確認する。
「こ、これも闇魔法??」
「ん?分かる?」
俺は影移動の最中に会話する。
「俺はひゅうご。闇属性の魔法使いだ。君は?」
「わ、私はマインです。私も闇属性です。」
「そっか。じゃあよろしくね。」
「は、はい。宜しくお願いします。」
俺は落ち着いて話すように心掛けているが、内心はバクバクである。
だって、先程は気付かなかったが、みすぼらしい姿ではあるが、ローブの頭のフードを降ろしたマインは、褐色の肌に白髪、尖った耳、俺の知るところのダークエルフだ。
この世界には実在するんだぁ。と。
そう思って走っていると、森に着き、
「じゃあこの辺で降りてもらうかな。」「バフお願いできる?」
「は、はい。」
そう言うとマインはその場で目を閉じ、杖をかざして言葉を発する。
「我は願う、闇の女神ネフィティスよ。その力、授け給え。この者に生命の糧を与えよ。HPドレイン」
え?詠唱!?しかも魔法名HPドレイン!?
「よしっ、じゃあ俺からなるべく離れないように着いて来てっ。」
「はいっ。」
俺は目の前に現れる5体のゴブリンに黒虎徹を抜いて切りかかる。
「ばしゅっ、ずしゃっ、ずぶっ、ばしっ、ばしゅっ」
一気に5体切り殺し、その流れで影槍に右耳を切り取らせ、弓と共に操影で黒穴引で収納していく。
「次はあっちだ。着いて来れるか?」
「はいっ。」
もう5体のゴブリンに対し、今度は魔法で。
「吸収、吸収、吸収、吸収、吸収。」
同じように影槍と黒穴引で回収。俺はHPドレインの効果を、直接攻撃と、魔法とで効果の違いを確認していた。
「魔法だとドレインの効果は3分の1程度か。」
「よしっ、あっちにまた5体!」
「はいっ。」
「吸収、吸収、吸収、吸収、吸収。」
立て続けに倒していき、30体を倒した所で一息つく。
「これで2万エルド。一人1万だ。申し分ないな。」
「は、はい。」
「じゃあ、街に戻ろう。」
「はいっ。」
俺達は南門に着く。
「おいおいおい、もう帰ってきたのか?」「通行税だけでゴブリン3匹、ギルド登録料に彼女の取り分までだと9匹、10匹位は必要だぞ!」
「あぁ、分かってる。」
「ああっ??」
「支払いはギルドでいいのか?」
「ああ。」
「じゃあ、また付いて来て貰おう。」
俺はまた二人を影に乗せ、ギルドに向かう。
「おいおいおいっ、これは何の魔法だっ!?」
「言わなきゃダメか?」
「駄目かって、そりゃ気になるだろっ!?」
「闇魔法だ。」
「それだけかよ。」
ギルドに着く。
俺は見知った顔のミイナさんの前が空いているのを確認するとそのまま進む。
「あら!ひゅうごさん。もう帰っていらしたの?」
「あぁ、確認してくれ。」
俺はそう言うと、ボア鞄の中に黒穴出を生成し、あたかも鞄から取り出す様に、ゴブリンの耳を並べ始める。
30の耳を並べた後、
「そうそう、この5つはアーチャーで、」
そう言いながら鞄から弓を取り出す。(かなり無理があるが)
弓を5つ隣に並べ、
「こいつはメイジだ。」
と、鞄から杖を2本取り出して並べる。
「以上の30体だ。」
ミイナもダンも、鞄から弓どころでなく、次々と並べられた耳や武器に驚き、愕然としている。
「あ、ええ、確認致します。」「ゴブリンの耳が23,アーチャーが5、メイジが2。」「ゴブリン3体で銀貨2枚、アーチャー1体で1枚、メイジ1体で2枚、合計銀貨23枚になります。」
「おぉっアーチャーとメイジは単体で金になるのかっ。」
「あ、それだとゴブリンの耳2枚余ってしまいます。お返しします。」
「いや、いい。思ってたより稼げたからな。処分してくれ。」
「えぁっ!いらないなら俺が貰っとくぜっ!」
突然隣で受け付けていた男がそう言う。
見た感じ10代半ばの若い男だ。
俺はその男に顔を向け、言う、
「悪いが、それは遠慮しておく。」
「あ、え、遠慮?な、なんでだっ?いらないんだろっ!?」
「あぁそうだ。だが、俺が考えるに、このゴブリンの耳が3枚で小銀貨2枚の価値があるのでは無く、ゴブリンを3体倒すことに褒章が与えられているはずだ。」
「あ、あぁ。」
「それなら、もしこの2枚の耳で褒章を得られたり、たまたま丁度昇格なんかして、実力外で高いクエストを依頼して、怪我や、死亡なんかさせてしまったら、俺がそれを導いたことになる。」
「ん?あ?あぁ。」
「たかだかゴブリンの耳2枚程度に、君の実力も知らないで勝手な話で申し訳ないが、俺の勝手な理論だと、そう思って遠慮して貰えると助かる。」
「あ、あぁ、そういう事なら。」
「理解して貰えて嬉しい。」「俺はひゅうご、魔法使いだ。」
「俺はハーデン。ソロの剣士だ。」
「そうか、ハーデン、何かあれば手を貸す。その時は宜しくな。」
「お、おうっ。」
「あ、あの宜しいでしょうか。小銀貨2枚をダンさんに、銅貨5枚をギルドに、残り小銀貨20枚と銅貨5枚になります。それとこちらが正式なギルドカードになります。」
そう並べられた貨幣を、小銀貨11枚と銅貨5枚をマインに渡す、すると、
「え!?私、何もしてないのに、こんな多くなんて、、、」
「何もしてなくなんてない、お前のバフは非常に助かったし、俺には勉強にもなった。それに今渡したのは今回の成果の丁度半分だ。引かれたのは俺の経費であって、お前の取り分が多い訳でもない。」
「そ、それでも私はバフしか、、、」
「先に取り分の話をしなかったのは申し訳ない。が、俺はどんな役職だろうと分け前は同じで良いと思っている。不服か?」
「そ、そんな、不服だなんて。」
「良し、それじゃあそのまま受け取ってくれ。これでもし満足して貰えるなら、明日もパーティを組んでくれないか?」
「え、あ、いいんですか?」
「良いも悪いも、俺がお願いしている側だ。」
「じ、じゃあお願いします。」
「なら決まりだ。明日もお願いする。」
「は、はい。」
「じゃあ、明日の朝、ここで」
「はい。」
するとミイナが、
「あの、お泊りはどちらに?もし宜しければギルド宿舎で宿泊も可能ですよ。大部屋で皆と一緒ですが、男女は別になります。銀貨1枚と格安ですよ。」
「わ、私はそれでお願いします。」
とマイン。
「大部屋ですので、貴重品をこちらでお預かりすることも可能です。銅貨5枚になります。」
「それもお願いします。」
「では、こちらに。」
俺は、今からならぎりぎり祠に帰られる時間だ。
まだ返答はしないで、先程見た掲示板をもう一度眺める。すると、
「この動物の皮の買い取りとあるが、兎のような動物の皮でもいいのか?」
「マッドラビットの皮ですか?合計5枚までの買い取り依頼が出ています。」
「狸のようなのもあるんだが、、、」
「ブラックラクーンですか?それなら3枚までの依頼が出ています。」
「じゃあ、こちらでいいか?」
そう言って、俺はボア鞄の中の黒穴出から茶兎の皮3枚と黒狸の皮1枚を取り出して並べる。
「マッドラビットの皮は1枚銅貨5枚、ブラックラクーンの皮は1枚で小銀貨1枚になります。」
泥兎に黒狸か。
「他にも魔物の皮があるのだが、買い取って貰えるか?」
「依頼が出ているのは、あとフォレストボアの皮だけです。でも、依頼主を紹介することは出来ます。直接買い取って貰えれば、紹介料を1割り頂くという流れになります。」
「それでいい、紹介してくれ。」
「それでは小銀貨3枚と銅貨5枚になります。」「皮の依頼主はこの先の服飾店の女将さんのマギーさんです。」「紹介状を手配しますね。」
そういって少し待つと、裏で作成したのか一枚の紙を渡される。
「手数料はどちらが払うかは相談して決めてください。」
「あぁ。分かった。それでは行ってくる。」
俺は通りを歩いていくと、割とすぐの所に服飾店らしき看板を見つける。
「マギー服飾店。そのまんまだな。」
俺は店内に入る。
「いらっしゃいませ!」
「いや、俺は客ではなく。」
俺は受け取った紹介状を渡す。
「あんたが皮を売ってくれたのかい。ありがとうね。それで、紹介状ってことは依頼を出してない皮を持っているってことね?」
「そうだ。」
「何の皮を持ってるんだい?」
「あぁ、色々あるんだが、」
「皮の状態では買い取れないこともあるからね。ほら、出して出して。」
「あの、これは、ここだけにして欲しいのだが、」
「何だい、勿体ぶって。」
俺は黒穴出を生成して、そこからグレーターボアの皮を取り出す。
「なんでったいその黒いのは!?それに何だいこの皮は、今さっき剥いだようだね。しかも切り傷や痛みがほぼ無いじゃないの。こんな大物の一枚皮なんて先ず出ないわよ。買うわ。いくらなら売ってくれるの?」
「俺には相場が分からない。おまかせする。」
「あんた!なんて事言うの!そんなんじゃ足元見られるわよ!」
「いいや、俺はそんなに金に困ってない。ついでにここで服をいくつか見繕って貰えたら十分だ。」
「そんな!いくらでも見繕ってあげるわ。それにお金はいくらあっても困らないものよ。」
「そうか、なら助かる。」
「いいわ。大銀貨30枚で買い取るわ。服も靴も含めて上下3セットでいい?ギルドの手数料もこちらで持つわ。」
「分かった。それで頼む。」
「他にもあるんだが、」
「何があるっていうの?」
「金になるか分からないが、」
俺は黒穴出から大黒蛇の頭を取り出す。
「まあっ!ブラックサーペント!?そんなのどこで手に入れたの!?物凄い貴重な魔物よ!」
「あぁ、俺が倒したんだ。」
「噓でしょっ!ブラックサーペントを倒せる人がいるの?お仲間は?分け前を分ける相手は何人いるの?」
「いや、これらは全てソロで倒したんだ。従魔と共に倒したのもあるがな。」
「う、嘘でしょ。」
そう言ってマギーはその場で膝から崩れ、座り込む。
「そんなに驚かれると言いにくいんだが、その蛇ならあと3体持っている。」
「えぇっ!もう訳が分からないわ。これも今狩ってきたように感じるけど、、、」
「あぁ、どちらかと言うと、こちらを黙っててほしいのだが、この空間収納に収めたものは時間経過しないんだ。」
「えっ!何がなにやら・・・でも、買うわ、今すぐには全てを買い取れないけど、さっきの皮とサーペント1体分だけでも先に買い取らせて。サーペントの皮には金貨5枚出すわ。」
「それで頼む。だが蛇の皮はまだ剥いでないんだよな。」
「大丈夫よ、蛇皮は剥ぐのにコツがいるから、こちらでやるわ。でも、蛇肉はどうするの?」
「それ、喰えるのか?」
「たっ、食べられるわよ。というか超高級食材よ。」
「買ってくれた礼と、解体代で貰ってもらってもいいぞ。」
「駄目よ!高級食材と言ったでしょ!」
「あなた!あなたっ!お店閉めてこっち来なっ!」
「あぁ!?えっ!店閉めて!?」
店の隣の奥から声が聞こえる。
「隣は主人の食堂なの。」
「いったい何だってんだ?って、お、おいっこれはっ!?」
「こちらの方が狩ってこられたの。買い取らせて貰えるのよ。」
「い、いやぁ、サーペント肉を買い取るなんて、そんな金ねえぞ。」
突然の事で困ってる店主に、俺は言う、
「なら、こうならどうだ。今回皮を買い取って貰えるから、肉の半分はお近づきの印って事で受け取って貰い、どんな料理になるか興味もあるから俺に食べさせてくれればそれでいい。高級肉とのことだが、なるべく安価に街の者に振舞って、リピーターが出来たらその時に残りを買い取ってくれ。どうだ?」
「そ、そんな。こちらにとっては願ったり叶ったりだよ。あんちゃんがそれでいいってのなら断る理由はない。しかもこんな肉を譲ってもらえるなら、毎日でも毎食でも食べに来てくれていい。なんなら2階に住んで貰ったっていい。」
「食事はそれで助かる。2階ってのは?」
「あぁ、今2階を改修しててな、ちょっと高価な宿にしようとしてたんだ。風呂付きバルコニー付きだぜ。」
「それは興味があるな。部屋はこの後探そうと思ってた所だ。いつから住めるんだ。正規の価格も払う。」
「それならいい。丁度一部屋出来上がってる。もう一部屋も明日中には完成するがな。」
「なら今晩からお願いしたい。お代はいくらだ?」
「まだ決めてないんだ。夕食を摂りながらでも話し合おう。」
「それで頼む。」
「はいはい。話がまとまったならどいてどいて、お次は服を見繕うよ。」
「助かる。」
俺はマギーさんに見繕って貰い、3着のセットを頂き、その内の一つを着たままにする。
これで少しはこの街に馴染めたかな。
「夕食まで少し出掛けて来て良いか。食事に誘いたい奴がいるんだ。」
「えぇ、勿論。おしゃれな姿を見せておいでっ!」
「あ、あぁ。」
俺は南門に行く、そこの詰め所にいる近くの衛兵に声を掛ける。
「あの、ダンさんはいますか?」
「ああ、ダンな。ちょっと呼んでくるな。」
「お願いする。」
少ししてダンが現れる。
「おぉ、ひゅうごだったな。見違えたぞ。それでどうした?」
「世話になったからな。夕食でも御馳走しようかと思ってな。」
「おいおい、さっきまで文無しだった奴に飯を奢って貰うなんて出来ないぞ。」
「いや、ちょっとまとまった金が入ったのと、珍しい食材が入ったというからどうかなと思って。」
「おいおい、なんだその食材って!?そんな話聞いたら行くに決まってるだろ!」
「ギルドの通りにある、マギーの服飾店の隣の・・・」
俺は店の名前を聞いてなかった。
「おぉ、梨花亭か!?あそこは結構値が張るぞ?」
「いや、安く手に入れたから安価にするって言ってたぞ。」
言ってはいないが、恐らくそうしてくれるだろう。
しかも恐らく自分の分は掛からないだろうし。
「それじゃあ、また後で、この後パーティメンバーのマインも誘ってみる。」
「あぁ、分かった。少し片づけたら向かうよ。」
「あぁ。」
俺はギルドに向かう。
着いて中に入ると、ミイナさんが俺に気付き、こちらに向かってくる。
「ひゅうごさん!何があったんですか?」
俺は唖然とする。
「先程、マギーさんがこちらに来られ、結構な金額の手数料を納めていったんですよっ!いったい何をお売りになったらあの金額になるんですか!?」
「あ、あぁ、その件は内密にして貰えると助かる。」
「え、あ、はい。すみません。取り乱しました。そうですよね。詮索して良い内容では無かったです。驚いたもので。」
「いえ、構わないです。それで、今晩ここに宿を取った、メンバーのマインを呼んで欲しいのですが、お願い出来ますか。」
「勿論です。お待ちください。」
少しすると、マインが2階から降りて来て俺に尋ねる。
「えぇと、何か御用でしょうか。明日の打合せ?」
「いや、違うんだ。今晩食事でも一緒にどうかと思って。あの後少し金が入って、ちょっと変わった食材の料理を出して貰えることになってて、どうかと思って。」
「え?私をお誘い頂けるのですか?」
「あ、あぁ、他にここに案内してくれた衛兵のダンも一緒だがな。」
「な、なんか分け前を多く頂いたので、私の方こそ何かお返しをと思っていたのですが。」
「いや、それには及ばない。俺の方こそお前に感謝している。その感謝の印ということで、誘いを受けてほしい。」
「え、あ、そ、そういう事でしたら。是非。」
「じゃあ、出掛ける準備をしてくれないか。近くだがその場所まで送ろう。」
「えぇーっと、特に準備は。このままで出られます。」
「そうか、じゃあ向かおうか。」
「はいっ。」
俺は視界の端に、ミイナがこちらに向かって羨望の眼差しを向けているのを無視して、マインと二人でギルドを後にする。
梨花亭に着くと、丁度その先からダンが向かって来る。
「よぉっ、丁度会ったな。」
「おっす、御馳走になるよっ。」
「あぁ。」
梨花亭の中に入る。
すると、
「おう来たか!?待ってたぞ。こっちの席を使ってくれ。」
そう言って案内されたのは、店の一番奥にある個室になっている席だ。
「何か仰々しいな。役人の接待か?」
そうちゃかすダンに、
「たまたまだろ!?」
と、俺が一蹴。
すると、
「私は梨花亭の主人、アギレンと申します。今夜は、高級食材であるブラックサーペントのステーキをメインにしたコースになります。どうぞお楽しみを。」
先程までぶっきらぼうな態度だった主人が、貴族を相手にするような挨拶に一同面を喰らう。
「あ、あぁ、お願いします。」
一応俺が返答する。
「先ずは前菜でございます。・・・の・・・仕上げ、・・・掛けになります。」
その後、次々と運ばれる食事を堪能していく。
メインの蛇肉ステーキは、驚くほど柔らかく、肉と脂のバランスが最高で、これが高級食材と言われる由縁だと噛みしめながら頂く。
「あの、本当に美味しいんですね。ここまでとは思ってなかった。」
「そう言って貰え光栄です。」
「いや、この肉、俺の従魔(本当は相棒)にも食べさせたい。」「無理かな?」
「だっいじょうぶよっ!暴れないなら魔物でも魔獣でも!」
何故かいつからか居たマギーがアギレンの代わりに答える。
「2階の部屋には泊めてあげられないけど、食事はここでも大丈夫。魔物が寝るのは裏庭の納屋になるけど。」
「あぁ、それなら今度連れてくるよ。是非お願いしたい。」
その後、部屋代は一月大銀貨10枚となり、差し引きの金額をマギーから受け取り、マインをギルド宿舎に送った後、梨花亭の2階で風呂に入る。
「やっべぇーーーっ!久々の風呂だぁーーー。」
この世界に来て、初めての風呂を満喫した。




