第三話 別世界の眺め
よく見てみると、空飛ぶ人間意外にもあちらこちらに、珍妙な風景が広がっていた。
「では、まずこの頭上を通っているのは、空飛ぶドローンで、一家に一台持っているほど、メジャーなものだよ。」
「うちも、貧乏だけどこれくらいはいちよう持っているよ」
そうして、彼は空飛ぶドローンを出して、私に渡した。
「えっと、操作方法は、この赤いボタンを押して、飛びたいって、この機械に念じるんだ。すると、ほら」
彼の体が浮遊した。
私は、そんなわけないと思った。だって、前の世界では、機械は、自明な論理にしたがって、動いているからである。
私は、嘘半分でやってみた。
すると、私の体がスムーズに浮遊した。
「では、この世界を空中から見てみよう。」
「操縦方法は、さっきと同じ。行きたい場所を機械に念じるだけ。」すると、赤いボタンが光って、行く方向を示した。私もやってみたが、何故か、不思議と、軽々としていた。
「では、行くよ。この街いや、世界の探検へ」
すると、ドローンが高く飛び上がり音を立ててすすんでいった。
「あ、じゃあ最後の目的地の前までのなかで、気になった場所があったら私がいいますね。」
「えっと、じゃああの高そうな建物は?」
「あれは、私もよくわからないけど、どうやらこの世界の政治を司る機関らしいんだ。」
「軍事で、無人攻撃ロボットや、有人兵器などを設置したり、あと奴隷の管理とか…」
「あ、ちょっと君に分からないことを喋ったね。ごめん。ごめん」
と、彼は照れ臭く言った。
しかし、無人攻撃なんちゃらとかは、分からなかったが、奴隷というのは聞いたことがある。
私が、つい二日前くらいに逃げ出した世界では、私は奴隷という役割だったような気がした。
そして、奴隷というのは、世にもひどい扱いを受けるのだなぁと思った。これだけ発展していてもこういう部分が変わらないとなると、私は少し悲しくなった。
「次に、あのなんか、奇妙な時計が描かれいる塔は?」
「君、時計のことを知っているのかい。とても嬉しいよ」
「だけどね、あれは時計ではなくて、戦争が起きたことを知らせるものだよ」
私は、いつの時代でも平和は無いんだなとおもった。
まるで神様がわざと平和を妨害しているのかと思った。
「ここが目的地さ」彼は、どろーんを畳んでしまった。
「どろーんって、畳めるんだね」
「まぁ、この街、いや、この世界の技術はすごいからね。」
彼は苦笑いした。
私も同じように、畳んで、しまった。
「ここがこの街の市役所さ。」
「ここの住民は、必ずこの市役所に行って住民投録をしないとならない」
「まず市役所にいって、個人情報を入力するだけだ。」彼は、妙に真剣な顔で言った。
「では、入ろう」
「入力は、この装置だよ。」
私は、言われるままに個人情報を入力したが、出身を聞くところでは、「ここは、入力しなくても良いよ」
と言ったが、欄には入力してください名マークがあったため、入力しようとしたが、彼の表情が、場違いに真剣な顔だったため、信じることにした。
すると、その途端に、あの時の満面の笑みを見せられた為、自然と、口が持ち上がってしまった。
何分かたつと、硬い紙が、
でてきた。
「それを係員に見せて」
私は係員に差し出した。すると、そのカードに、印を印字して、返した。
「出身の欄が書いてないようですのでご記入をお願いします。」
「あ、ちょっと出身のかかれた紙もっていないんで、あとでもいいですか」
すかさず、彼がいった。
「ではまた、次のときに」
そうして、市役所をでた。
その瞬間彼は、わたしのカードを奪って
ビリビリに破り捨てた。