第58話「極めて速く」
刀夜視点
「動けるのか?」
第4位に聞くと第4位はコクっとゆっくり頷く
(あれは無理をしてるな……)
一緒に修行をしてきただけあって何となく本心が読めた気がする。
(今のうちに仕掛けておくか…)
霜月視点
(あの4位……能力のインターバルはおそらく約1分間!!)
私は先程の能力が使えるようになった時間を計算しておおよその時間を求める。
「そしてわかったぞ!!……お前の能力は”視界”に入った物を止めると言ったところだろう?だからこそ動けなくなったお前はゴミ同然だな」
第4位視点
(周りの花粉が消えていく…爆発は流石にもうしてこないか…)
とは言え動けないのは確かだ……
刀夜視点
霜月は俺たちを見てハッハッ!!と嘲笑う。
「あまり俺たちを舐めるなよ?」
「お前は弱いくせに調子に乗るな!!」
笑いながら怒っている?おかしな感情だ。
(筒姫、スピード最大で……)
(了解です!)
「行くぞ…」
刀を構えて目を霜月から離さないでいる。
霜月が目の前から消える。
(俺にはまだ速すぎて見えないが……)
(後ろです!!)
筒姫の助言で身体を捻って花の太刀を交わす。
(よし!)
「避けて満足してんな」
次にくる霜月の蹴りが避けられずにもろに食らってしまう。
(ガッ!!)
吹き飛ばされてもすぐに霜月の元に戻ってくる。
「スピードが速くても脳が追いついていないな…」
霜月視点
(本当の目的は時間稼ぎだろうな…ひたすら耐えて動けもしないあいつに繋げるつもりか?)
私は花で作った太刀を奴に投げる。するとまたギリギリ避けられる。
「今度は油断しない…」
そう呟いて警戒して私から目を離さないでいる。
「甘いんだよ!」
投げた太刀から花が伸びて奴の足に絡まる。
「うっ…」
「これで避けられないな。」
世界一硬い花”ディッキア”を拳に纏う+加速で殺す気で殴ろうと近づく。
「!!?」
後ろから殺気がする。
(避けられない…)
すぐに背中にディッキアを纏う。
「お前なら致命傷を避けようと背中に纏うだろうな!」
そんな声が聞こえた直後
グサッと鈍い音がするのと同時に激しい痛みが足から脳に伝わる。
「ああぁぁぁ!!!やってくれたなキサマァ!!」
私の足には”大太刀”が突き刺さっている。
倒れて動けない奴を睨みつける。
(そうか…こいつの大太刀は勝手に動くのか!)
「笑うほど余裕なくなってきたんじゃねぇのか?」
「うるさいな!」
私はすぐに足の大太刀を抜こうとする。
「俺がいることも忘れんな!」
「真夏の盤 「初夏」」
私はそれに反応してしゃがんで避ける。
「うっ…」その時足に負担がかかり激痛が走る。
(それにあいつ、さっきより速い!)
避けてすぐに奴の方をむくと、校舎の壁に足をつけて踏みとどまり、そこから消える。
「真夏の盤「中夏」」
(さらに…速く…)
私はすぐに横に転がってそれを交わす。だが、奴の刀は私の頬をかする。
(まだだ、おそらくまだ追撃がくる!)
私は拳にディッキアを再度纏って迎え撃つ準備をする。
「真夏の盤「晩夏」」
来ると予想していたので奴の攻撃を捉える。
刀夜視点
(あの状況から立て直すか普通…足に大太刀がぶっ刺さってんだぞ?)
俺の刀と奴の拳がぶつかる。
俺の速度ではまだ押し切れず、再び校舎に吹き飛ばされる。
(まずい!!)
バリンッ!!
ガラスを割って廊下に出る。
「しまった、これで霜月に立て直す時間を…!」
(いや…これは好都合かもしれない…)
霜月視点
「クソッ!やってくれたな…」
奴が来る前に足から大太刀を抜こうとする。
(くっ……)
目を細めてゆっくり抜く。
カランカランッ
抜いた大太刀を投げ捨てる。
すぐに回復の花を足に纏わせて、最後に花で足を縛って固定する。
(これで少しは痛みを抑えれる…)
私は立ち上がって校舎を向く。
(まだ気配は校舎にある…)
「あと…5秒」
(インターバル前に4位を先に殺すか…)
私はすぐにそう判断して拳を”全力”で向ける。
4位は覚悟したような目でこちらを見ている。
「生意気な…」
拳が顔に当たる直前
(は?)
校舎から感じていた気配がすぐ隣に移動する。
(またあの瞬間移動のような能力か?)
だが、4位が驚いた表情をしていることに少し違和感を感じた。
(こいつにとっても予想外?)
刀夜視点:校舎に吹き飛ばされた時
(能力を使って目の前に出る、これなら確実に不意打ちができる。)
(ですが、マーキングした木の枝はあの時私たちと入れ替わったのでそれは不可能では?)
筒姫がそういう。
「いや、あの時第4位の大太刀をマーキングしといた。」
(いつの間に?)
「とにかく急ぐぞ!俺は奥義を準備するから能力を使用してくれ。」
俺は構えて能力発動を待つ
そして現在に戻る……
「真夏の盤 奥義「彼岸」」
霜月視点
(油断した…こいつがまさかここまでやれるとは……)
「耐える……」
避けることを諦めてディッキアを何重にも身体の前に貼る。
奴は今までにない速さと威力の技で、次々にディッキアを割っていく。全てのディッキアが割れて私はディッキアを両拳に纏って刀とぶつかる。私の身体は後ろに下がりながらキーーーーン!!と音を立てる。
パリッ
ディッキアにヒビがはえて、諦めかけた時に奴の速度が落ちる。
「フッ…耐えきったぞ!!」
刀夜視点
「クソッ!!」
(俺にはあと一歩足りないのか?)
霜月は左手で威力と速さの落ちた刀をどかして、右手で俺の腹を狙う。
パリンッ!!
俺の腹に当たる直前に纏った花があとから俺の技を受けた反動で崩れ落ちる。
ドンッ!
纏った花が壊れても素の全力パンチが腹に直撃する。
「ガバッ!」
大量に吐血して腹を抑える。
(吹き飛ばされるな…倒れるな…耐えろ!)
霜月視点
(こいつ…耐えやがった!)
私が追撃を入れようとして今度は左手を突き出したところで拳は止まる。
(動けない…!!)
「とうま(刀夜)!トドメさせ!」
(あいつまだ動けたのか!?)
刀夜視点
(動け!!あいつが無理をして動いたんだ…俺が動けなくてどうする?)
(夏の盤の”もう一つ”の奥義を使ってください!あとは…気合いで動いてください!)
「気合いか!!」
(もう一つの奥義…この1ヶ月で修行して何とか取得した剣術…)
「真夏の盤 奥義「此岸」!!」
(これで終わりだ!)
霜月視点
「残念だったな動けなくても能力は使えるんだよ!!」
花で作った防御の壁を貼る。
(今回は余裕がある…最強の盾を!!)
そう思いディッキアをさらに強化した花を使う。
刀夜視点
動きが止まって動けない霜月に俺のもう一つの奥義は直撃する。新たに作った花の防御を全て通り抜けて霜月だけに当たる。
(この剣術はある物を特定してそれだけを斬ることができる。)
「俺たちの勝ちだ!!」




