第34話「体育祭1【剛 出陣】」
天気は晴れで気温は秋に差し掛かるような適度な気温。そんな中生徒達は校庭に集まっている。
「これより!体育祭の開催を宣言します!」
教師は声高らかにそう言うが……生徒は誰一人として歓声を上げたりしない。それは当然だ……なぜなら
ここにいる人の”半分”は退学になるのだから……
「では闘技場に向かう前に……一つお知らせが……」
(お知らせ?)
俺は少し耳を傾けると、
「一回戦、如月刀夜さんと対戦予定だった近藤幸さんが昨日死亡したため、急遽如月刀夜さんの一回戦の相手は二回戦に対戦予定だった、”上村弓華”さんとの対戦になります!シードだった上村さんには申し訳ないですがルール通り負けた方は退学となります。まとめると、対戦は第二回戦ですが、負けたら退学ということです。」
(……え?いや俺にも申し訳無いと思って……それより、俺は第6位に勝たないと……”退学”)
俺の顔色は悪くなる。今までとは訳が違う俺は奥義が使えないで勝たなくてはいけない……
そこで隣で下城が歯噛みしているのに気づく。
下城が向いている方向には昨日会ったあの不気味な圧を放つ女性がニコニコした顔でこちらを見ている。
そこで俺は昨日の会話を思い出す。
「なるほど……お土産とはこれのことか……」
恐らく近藤さんを脱落させたのはあの人だ……理由は分からないが……。
「では皆さん!闘技場へ移動してください!」
そうして生徒達は闘技場へ向かう。俺は前の方の席を確保し、周りには剛や下城だけでなく光樹や闇鬼も座っている。
「気張れよ刀夜!お前の相手やばいぞ!」
闇鬼が俺にそう言ってくる。
「闇鬼は戦ったことあるのか?」
闇鬼はまるで戦ったような感じで言ったので俺が問うと、
「戦っているところは見た。一瞬で決着がついたけど……な!にい……、光樹。」
光樹はその言葉に頷き……
「戦友のお前を俺たちは応援している!」
そう言ってくれた。
(戦友……か)
俺は少し緊張がほぐれた気がした。
闘技場は一戦ごとにフィールドが変わるようで、観客席に攻撃が行かないように強い結界が貼ってある。
「一回戦!第一試合始め!!」
試合開始の合図で試合が始まる。
一瞬で決着がつくものもあれば、長期戦になるものもあり、けど着々と試合は進んで行った。
「一回戦第25試合の選手は準備室に集合してください。」
(あっという間に25試合まで…)
シードは10名。それ以外の108名で一回戦は全部で54試合ある。二回戦でシードの人と当たる者もいれば……一回戦で勝ったもの同士が当たる場合もある。
俺は第二回戦なので第一回戦の54試合が終わるまでは試合はない。
「一回戦第26試合の選手は準備室に集合してください。」
その放送の時に、剛が席から立つ。
「じゃあ!行ってくる!」
剛がそう言う。
「負けるなよ!」
俺は笑顔で拳を剛の前に持っていく。
剛はその俺の拳に当てるように拳を出す。
トンッ
俺と剛の拳はぶつかり合う。
「ああ!」
剛はそう返事をして準備室に向かう。
剛視点
俺は刀夜と拳を交わして準備室へ向かう。
(これで負けたら……退学か……。)
俺の手は少しだけ震えている。
(ダメだ!緊張するな!)
そう思いながら拳を強く握る。
準備室へ入ると多くの人がいて、一人身体の大きい目立つ男性が椅子に座っている。
「よろしくな」
その人は手を出してくる。
「はい。」
と答えて握手をする。そこで初めて気づく。
(この人が対戦相手の人西川って人か……)
「お前順位はいくつだ?」
西川は俺に探りを入れてくる。俺はそれに気づいて何も答えない。すると……
「すまない……こういうのは俺から言うべきだったな、俺の順位は”18位”だ!」
俺は驚いた表情を顔に出してしまう。
「その顔は俺より下か?良かったぜ!一回戦は楽に突破できそうだ!」
戦う前から西川は喜びの声を上げている。
(良い奴だと思っていたのにな……。けど……実際やばい……俺は76位だからだいぶ差がある。)
「入場してください!」
そこで教師が俺達に声をかける。




