第21話「異変4」
天堂は俺に説明をする。
「今現在どこからともなく”毒ガス”のようなものが放出されている。俺や上位の奴は問題ないが、時間制限がある中犯人を見つけて討伐するのは難しいからな。今動けるものを見つけては協力してもらっている。」
(いや、本当に何が起こっているのか分からない……でも、時間制限ってことは)
「時間制限は後15分。これを過ぎたら眠っているものは全員死ぬ。流石に教師達まで死んだらこの学校は崩壊してしまうから困るんだ。」
「なるほどなわかった俺は体育館を探す。」
理解した俺は時間が無いと判断してそう言う。
「話が早くて助かる。」
そう言って目の前から消える。
その後俺はバチンっと頬を叩く。
(ああ、もう……冷静になれ!)
(そうじゃ!お主が試験に合格出来たのはわしのおかげじゃぞ?)
そう言う佐保姫に俺は
(サンキューな!)
佐保姫が止めてくれなかったら俺はあのまま暴走して試験不合格だけでなく、色んな人を殺してしまっていただろう……考えるだけでおぞましい。
体育館に走りながら少し左手の感覚がおかしい事に気づく。
(まずいな……)
(理由はわからんが、お主は他の盤も多用できる。じゃが念の為体力を温存した方が良い。神刀を一度解除して冬の盤「冬眠冬華」で自分を守るんじゃ。毒の流れが遅くなるはずじゃ!)
佐保姫のアドバイスを聞いて、俺は
(ありがとうな佐保姫……)
佐保姫に感謝を伝え、俺は神刀を解除し、冬の盤「冬眠冬華」を発動する。
(少しだけ毒の流れが遅くなるどころか少し楽になった……)
そう考えながら体育館の前に着く。
「残り10分ぐらいか?」
そうつぶやきながらドアを開ける。
……が誰もいない。
(ここはハズレか……)
そう思い、振り返ると女性が立っている。
「ありゃ?体育館には誰もいなかったんですか?」
「ああ」
俺が答えると
「おかしいな〜?体育館に怪しげな気配がしたんですけど?ちゃんと探しました?」
と頭を掻きながらいう。
「怪しげな気配をどうやって感知したんだ?」
すると女性は
「勘です!!」
俺はその言葉を聞きあきれて
「気になるならお前が探せよ〜」
そう言って他の場所に向かう。
(次は図書室でも行くか……)
図書室に向かう途中闇鬼に会った。
「闇鬼!起きてたのか?」
「ああ、けど何が起きているかさっぱり……」
「今は説明している時間がないから……とにかく俺に着いてきてくれ。」
図書室に向かう途中に闇鬼に説明する。
「なるほどな……」
そこで俺はあることに気づく。
「光樹はどうしたんだ?」
すると……
「起きたら既にいなかったんだ……」
そうこう話しているうちに図書室の前に行く。ドアを開け、俺が前を歩き中に入っていく。
光樹がいた。
「刀夜!起きていたのか?天堂から事情を聞いて、闇鬼はまだ試験をやっていたから先に探していたんだけど……どうしたんだ?ポカンとした顔をして」
途中で俺は違和感に気づいていた。なぜ後ろにいるはずの闇鬼に心配の声を上げないのか?
「闇鬼は後ろに……」
「何を言っているんだ?
後ろには……”誰も居ないぞ”?」
「え?」
恐る恐る俺は後ろを向く。
後ろにはーーーー
誰もいなかった。
「お前まだ幻術の効果がまだ残ってるんじゃないか?」
(そうなのかな?)
「とにかく時間がない!手分けして探そう!」
「了解」
そこで俺たちは別れる。
外に出ると見慣れた後ろ姿が二人、目に入る。
(あいつは……!?)
「久しぶりですね……刀夜さん……。」
俺が倒して時間制限で脱落したはず……。
そこに居たのはまぎれもない。
”元第10位”の時雨だった。
「なんでお前が?」
俺が問うと……
「僕だけじゃないですよ?」
そう言った後に、後ろからもう一人見慣れた奴が……
「ありゃ〜?さっきの人じゃないですか?」
そう言った後に、そいつが後ろを向いて再び前を向くと
「刀夜!無事だったか!?」
と顔だけ闇鬼に変化してそう言う。
(こいつはまさか……!?)
俺はそこで勘づく。
「あの時のピエロか!?」
「バレちゃいましたか?」
と言いながら顔を戻す
「この異変はお前達の仕業なのか?というか時雨!お前は脱落した退学になったはずだろ?」
「質問が多いですね……。とにかく言えることは一つ。”この異変はあの方と僕たちの仕業”です」
(あの方!?)
「そろそろ僕はあなたに死んでもらいたいです。」
(よく分からないが、こいつらを倒せばこの毒ガスをどうにか出来るはず!)
するともう一人校舎の後ろに隠れていた黒いマントを被った顔の見えない奴が何かをしている。
(嫌な予感がする……)
俺はそいつに目掛けて刀を投げつけようとするが……
急に目の前に時雨が来て、俺の投げた刀受け止める。
「相変わらずいい判断です。でも、させませんけどね?」
「ちっ…」
俺は小さく舌打ちをして、時を止めて俺の刀を止めたことを察する。そして直ぐに時が止まっていた間に何が起こったのか状況把握をする。
(ピエロの男は消えている……。逃げたか?)
「毒ガスが撒かれてから時間からして後3分ぐらいか……?」
(急がないと……!)




