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第2話「最強」

目の前に広がっていた光景は……


「蓮!!」


蓮の身体をその男性は、掴んで持っていた。……っが、そのまま投げ捨てる。

「また低順位かよ……運が悪いな...お前退学するなら今のうちだぞ?」

「お前が蓮をやったのか?」

「だったら何だ?」

俺はそいつを睨みつける。

その時そいつの校章が見えてしまった。見て後悔した。


「第1位……!?」


「俺の校章を見たなら分かるだろう?回れ右してそのまま帰れ。」


「一つ聞かせてくれ…”あいつ”はお前相手でも立ち向かったのか?」

「”あいつ”とは999位のやつか?そうだな...何回も退学を進めたんだが、逃げなかったな...根性はあるやつだった。」

(だから...嫌だったんだ...こんな学校で友達を作ろうなんて.....)


俺は刀を抜く……

すると1位のやつは呆れている。

「低順位の奴らは根性だけあっても勝てないってことが分からないのか?」


(お前の仇は俺が取る!)

なんで会ったばかりのやつにこんな風に思っちゃうんだろうな……

そう目を閉じてから...


「参る!」


1位に切りかかる...

「おぉ早いな...この速さなら500位は目指せるだろ?なんで底辺にいるんだ?」

余裕な顔で避けられる。

「だが...相手が悪かったな。」


次の瞬間

俺の身体は吹き飛ばされて気づいた時には木にぶつかっていた。

何が起きたか分からない...

(能力か……?)

「今のは能力じゃない……体術だ。それにしても今のに耐えるか...」

そのままその場から奴は消える。

微かに空気が切れた方向に剣を向ける。

俺は受けたはずだが、奴の力に耐えきれず吹き飛ばされる。

2.3回地面に身体を叩きつけられて、やっとの思いで受け身をとる。

安堵したのもつかの間、上を見れば奴は拳を俺に目がけて振り下ろしてくる。

かろうじて俺は地面を転がり、それを躱すはずだった……。

(!?)

「フェイク!?」

地面すれすれで殴らず、再び飛び、転がっている俺に拳を向ける。


ドンッと低く渋い音が聞こえた。

(痛っ!……くない?)

1位の奴は俺の顔を外して地面を殴っていた。


「お前...なんで能力を使わない?」

「さぁ〜?」

俺はとぼける。

「そんだけの身体能力があって、能力もあるとすれば、そんな底辺にいるはずがない...。」

「お前こそ能力をなんで使わないんだよ?」

奴はそれには答えず立ち上がる。


「もういい、能力を使わないならどっちにせよこれで終わりだ。」


(これ以上は無理か……仕方ないこのままじゃ本当に死ぬ。)

俺は剣を強く握り...剣術を使う。


(はる)(ばん)桜斬(おうざん)」」

そう叫ぶ。

刀からは桜が出てきて1位の奴の目眩しになる。

すぐに俺は奴の背後に立ち、

薄ピンクに光ったオーラを纏う刀でふりかかる。

……が、既にそこには誰も居ない。


「やっと能力を出したか……」

「能力じゃない…剣術だ!」

「あれが剣術?そうか...面白い。」

そう言って奴は剣をだす。

(あいつも...剣を?)

「耐えろよ?」

奴の剣が巨大になる。

(おいおいまさかあれが俺に飛んでくるのか?)


「ユダ!!」


「まずい……」

「春の盤「春一(はるいち)」」

俺は全力で技を打ち込む。

巨大な剣が俺に切りかかる

小さな剣と巨大な剣がぶつかり合い、火花が散る。

だが……実力差は明白...

その大きな実力差は”全力”なんて言葉では埋まらない。俺の技はかき消され...「春の盤」の効果を無くした剣のみで俺に衝撃が落ちてくる。


(生身じゃ死ぬ!せめて……)

(ふゆ)(ばん)冬眠冬華(とうみんとうか)」」

俺の周りを刀から出た氷が囲む...


ドーーーンッ!!

物凄い轟音と共に意識を失う。



(さすがに死んだか……1位バケモンだろ笑……蓮すまん仇取れなくて。)

(けど……何だ?身体が死ぬほど痛い...)

目をゆっくりと覚ます俺...

「生き……てる?」

「おっ目を覚ましたか?」

隣を見ると瓦礫に座った1位が言ってくる。

「なんで殺さなかったんだ?」

俺は純粋な質問をする。

「お前を気に入ったからだ。あの技を耐える奴なんてそう居ない...それに能力を隠しているときた。」

(認められた……のか?)

1位は瓦礫から立ち上がって

「お前名前は?」

「……如月刀夜」

そう名乗ると、

「俺の名前は”天堂(てんどう)無月(むづき)”」

「俺を超えてみろ!刀夜!」

俺に近づき、

「生き残れよ...」

と言って去っていく。

「蓮...俺は強くなってお前の仇をいつかとるからな!」

そう言って蓮の身体を探す

(……)

(見つけた...傷跡は全くない綺麗な...)

「遺体を回収します...」

後ろから声がして、後ろをむくと先生が立っていた。

(渡すしか無さそうだ...)

「蓮をよろしくお願いします。」

そう言って引き渡す。

(周りを見てあらためて思うが、校舎...ボロボロじゃん...)

「戦闘が終わりました。直ちに修繕班頼みます。」

っと放送で流れる。

(能力で簡単に直せる...ってわけね。)

蓮を運ぶ先生の姿を見送って俺は寮へ向かう...

(身体がガタガタで動かねぇ〜)

そのまま何とか寮に着き、俺はベッドに倒れ込む








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