第19話「異変2」
そこに広がっていた光景はーーーーーー
「そうしたんじゃ?ぼーっとして。新しい剣術でも考えてたか?」
祖父がそこにいた。だが、俺が知っている叔父より10歳ぐらい若い。
(気のせいか?)
俺は目を擦り、もう一度目を開けると……
「刀夜!ちゃんと修行してる?」
俺は下を向く。
聞き覚えのある一人の少女の声。
俺が会いたいと思っていた子の声。
俺が愛した子の声。
俺の目から涙があふれる。
「どうして泣いているの?」
俺が顔を上げるとその少女は心配そうにこちらを見ている。
「なんでも……ない。」
「なんかいつもと喋り方が違うよ?少し大人っぽくなった気が……」
「気のせいだよ……”散花”」
そうそこにいたのはあの時、死んだはずの散花だった。
「確かに……」
祖父も訝しんでこちらを見ている。
今頃だが、俺の身長もあの時に戻っており、混乱する。
(いったい何が?)
「ほれ!修行の続きを始めるぞ?」
そこで俺は剣術を振るう……が、いつもならできるのに全くできない。
「違う!もっと集中しないと。」
「俺の妖刀四季は?」
そこで俺はつぶやく。それに反応して叔父が言う。
「あの刀はお前なんかが使えるわけないだろう?過去あの刀の持ち主だった月影様だけじゃ!それに……呪われるだの、そもそも抜けないなどと言われておるしな。」
(過去に戻ったのか?本当に分からない……)
驚くのもつかの間、ここで もう”二度と” 聞きたくなかった音を聞く。
「緊急速報です!逃げてください!法律が改定された影響で能力者攻めてきます!」という放送が繰り返し流れ始める。
町の放送というのは放送をする前に”ピンポンパンポン”などと流れるが、そんなものはなしに急に流れ始める。余程緊急で”危険”を知らせている。
(この放送……俺は一度聞いたことがある。)
俺の心臓の音は鮮明に聞こえるぐらいに高鳴っていた。早い「ドクン、ドクン」という鼓動が繰り返しなる。
「ねぇ逃げた方がいいんじゃない?」
そこで声をかけられて我に返る。
(俺の予想が正しければここで……)
「おいこんなところにじじぃ一人にガキ二人いるぜ?」
「俺たちの奴隷になってもらうぜ?」
そう言って二人の能力者?が近づいて来て炎を手にまとい、こちらに目掛けて放つ。
「下がれ!!」
祖父が刀で受け止める。
「なぜじゃ?法律で能力者が一方的な暴力として能力を使うことは禁止のはず……」
「放送を聞いてなかったのか?もうそんな法律は消えたんだよ!」
そう言いながら今度は炎の玉を投げつけてくる。もう一人も雷の能力?で応戦する。
「先に逃げろ!二人とも」
「嫌だ!おじぃちゃんを置いていけない!」と”あの時”は叫んだ。けど今の俺なら戦える。
そう考えて足を前に出そうとしたが、俺の足は動かない……。いや今思えば思うように身体が動かせない。
顔などを動かしたり、喋ったりはできるが、身体を自由に動かせない。
(夢か何かなのか?いや……それよりこれ以上行くと……)
「散花!!刀夜を頼む……」
その言葉に散花はコクリと頷き、俺の手を掴んで走る。
あちこちで爆発が起こり、次第に激しくなっていく。
能力者同士が争い合っている。
森は焼けて、山は崩れている。
危険な場所を避けて俺たちは走り続ける。
俺の足は”勝手に動いている。
「あっちに逃げようよ」
そう誘導してあれを避けようとするが、
「そっちは爆発が起きてるからこっち!」
っと俺たちはあの時と同じ道を通らざる追えなかった。
偶然なのか必然なのか……
気づけば俺たちは四夢夜神社の付近に着いていた。
しかしそこで……見つかる
「おい!何してるんだ!?ガキが二人逃げてじゃねぇか!」
「すみません!!今すぐに」
(やめてくれ!これ以上は………)
俺はこの後の”最悪”の未来を知っている。身体を動かせないので、何も出来ない。




