第13話「刀夜の過去」
「久しぶり……」
「散花……」
俺が唯一愛した女性。そして幼なじみ。
「俺は今でもあの出来事がついさっき起こったように感じる。」
両親は俺が2歳の時に能力者として戦場に行き、亡くなったと聞いている。俺に剣術を教えてくれた師匠でもある叔父がそう言っていた。
俺の地元の村には大きな神社、”四夢夜神社”があった。
ここでは四季を司る神が祀られており、およそ800年前に建設されたと言われている。
俺が9歳の頃……
「じぃちゃん!なんであの神社には行っちゃダメなんだよ?」
「だまれ!!能力者達がぞろぞろとある刀を抜こうと、神社に来ておるから危ないんじゃ!」
「でも……誰もあの刀は抜けないんでしょ?」
「そうじゃな……昔あの神社を建てた者の持っていた刀、”四季”、昔それを使っていた月影様が”禁忌”に近い力だと封印をしたからな!それに抜けたとしてもあの刀の力を操ることは絶対に無理という伝説も、」
「おっと、語りすぎた……そんなことより!お主の能力はハズレすぎる。今は少しでも剣術で戦える術を持っておけ」
(ちぇ〜めんどくせぇ〜)
「お〜い、刀夜!お弁当作ってきたよ〜」
この子は散花
毎日修行をしている俺にお弁当を持ってきてくれた。
「毎日ありがとう」
「私がやりたくて作ってるだけだから気にしないで!」
(いつもありがたいな……)
そう思いながらお弁当を受け取る。
「刀夜は私が”能力を消す”能力で守ってあげるからね〜別に修行なんてしなくてもいいのに。」
「私の双子の妹なんてものすごく強いんだから」
(それはそれで……)
「まんざらでもない顔をしよって……昼飯を終えたらまた修行を再開するぞ!」
「でもさ〜俺に春の盤は使いこなせないよ?」
「木刀から桜なんて出るわけないし……。きっとじぃちゃんの木刀に何か細工があるんだ!」
「………心配じゃ。」
そんな平和な日を送っていた。
あの最悪の事件が起こるまでは……。
あの日世界は能力が全てをすべる世界になってしまった。能力者と非能力の間に明確な差ができてしまった。
村の非能力者は奴隷にされ……逆らった者は殺されてしまう者もいた。村にいる僅かな能力者も攻めてくる能力者の実力に勝つ事が出来ず……
村は崩壊した。
だが……あの時、
祖父が俺と散花を逃がしてくれた。
「嫌だ!おじぃちゃんを置いていけない!」
「散花!!刀夜を頼む……」
その言葉に散花はコクリと頷き、僕の手を掴んで走る。
あちこちで爆発が起こり、次第に激しくなっていく。
能力者同士が争い合っている。
森は焼けて、山は崩れている。その光景は僕から見れば”地獄”だった。
危険な場所を避けて僕たちは走り続け、気づけば僕たちは四夢夜神社の付近に着いていた。
しかしそこで……
僕たちは能力者に見つかり……………
ーーーーーピピピピ
アラームの音が聞こえる。俺が学校を出てから2時間30分経つらしい。
(もうこんなに時間が経っていたのか……。)
あと30分ならそろそろお墓参りを終えたし、帰るか……。
そう思い立ち上がる……そこでこの山奥のお墓にもう一人墓参りをしている者がいることに気づいた。
俺はせっかく墓参りをしているのに邪魔をするのは悪いと思い……会わないようにその場を去った。
(この世界の常識を俺が変える!)




