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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

二人称小説ウクライナ情勢シリーズ

あなたは日本の教会にいます

作者: 栗野庫舞

侵略反対。

 あなたは日本の教会の中にいます。ここであなたには、話を聞いて頂きます。


 では始めましょう。


 ウクライナは今、ロシアに侵略されています。


 ウクライナとロシアが即時停戦することを願う人がいます。それは正しいことです。


 ただし、戦争反対を表明せず、ウクライナが侵略されていることに抗議もせず、侵略者を利する内容の停戦を言うことは、あなたが思うように、正しくありません。


 一部の日本人は、このような意見を言います。


「ウクライナは支援する価値のない国だ。日本から遠く離れたウクライナ支援をやめて、隣国のロシアと仲良くしたほうが、日本の国益になる」


 このような人は大抵、ロシアを悪者にしようとしていると言いながら、ウクライナが戦争の原因を作った等々(とうとう)、ウクライナを悪者にしようとするような発言を連発します。


 ウクライナを支援するということは、ウクライナの領土を奪い取ることに反対を示すことです。


 これは大変価値のあることです。


 少なくとも、ロシアの軍事行動は侵略じゃないと拡散することよりも、はるかに価値があります。……すみません、最も価値の無いことと比較してしまいました。


 ウクライナへの支援を続ければ続けるほど、ウクライナの犠牲が広がるとまで言う人もいますが、おかしなことに、ロシアの侵攻を続けさせれば続けさせるほど、ロシアの犠牲が広がるとは言わないのです。


 それと、隣国のロシアと仲良くしたほうが、本当に日本の国益になるのでしょうか?


 侵略しているロシアは、親日が多いと言われている割に、日本がずっと昔から望んでいる北方領土の返還をせず、占領したままでいます。


 何十年もの間、地道に交流を続けた結果が、これです。


 そして今は、日本がウクライナ侵略に反対すると、ロシアは日本を非友好国に認定しました。


「日本が隣国のロシアと仲良くすることは、ロシアの利益にはなる」


 これが正解です。


 ウクライナの利益になることはダメで、ロシアの利益になることは正しい、ということが言いたいだけなのでしょう。


 北方四島に関しては、二島をロシアが返還しようとするのを拒否したのは日本だと語る日本人さえいます。その二島すら返還されていないのにそんなことを言える日本人は、非国民と呼ばれてもしかたがないですよね。


 ウクライナの領土を武力で制圧した上で、悪質な住民投票をおこない、併合を決定する。こんなおかしな暴挙を正しいとするロシアに同調する必要性は全くありません。


 理由はあったにしても、ロシアはウクライナの破壊と侵略を続けています。この事実をおかしな言葉でごまかす必要も、ありません。


 ただロシアがウクライナから撤退し、侵略が終わることを、あなたはここで、祈って下さい。


 教会の建物は美しく、侵略が終わることは、美しさへの始まりにもなります。


                    (終わり)

『防衛線を見守るあなたに』、『東欧の国と同様、奪い取られてしまった日本の領土のことを考えるあなたへ』なども、(あわ)せてお読み下さい。

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