第7話 ちい、戻る
ちいが目を開けると。真っ暗闇だった。
「何ここ?ほこりっぽい」ちいは暗闇の中をまさぐった、出口が見つからなかった。
「だれかー。たすけてー」ちいは大きな声で叫んだ。
すると扉が開き、ロウソクの炎の明かりがさしこんだ。開けたのはコングだった。
物置だったようだ。
「コング!良かった。また会えた!」ちいはコングに抱きついた。
ミンクーは苦しそうにポケットから出てきた。
「ごめんね。ミンクー」ちいはミンクーをやさしく抱き寄せた。
「弱っているの。助けてあげて」
コングは「パモンの植物の花粉をあげよう」
コングはお城の花瓶にさしてあるパモンの花を一輪とり、ミンクーの口元に持ってきた。
ミンクーは花粉を食べた。すると、ミンクーの目は強く輝きだし、パタパタと飛んだ。
「すごい回復力ね」ちいは喜んだ。
「おや、またもどれたのだね。無事かい?」西の魔女が心配した。
「おっと、今夜は忙しいよ。ブタが来たみたいだね」さっきのブタが入口まで来ていた。
「フリザコン」魔女は呪文を唱えた。入口の扉が開いた。
「ブヒー。助けてくんろ」ブタがボロボロになって入ってきた。
「お前はどこから来たのだい?」魔女が聞いた。ブタが答えた。
「気がつくとギジュの森をさまよっていた。その前の記憶はなぜかありません。僕の名前も分からないのです」
ちいは「あなたは、そうね。キュー。キューね」と、名付けた。
「キューですか。ありがとう。名付けてくれて」キューは嬉しそうだった。
「なぜ、ガイコツの騎士に追われていたのだい?」魔女が聞いた。
「ギジュの森で迷ってしまい、さまよっていたら、
ガイコツの騎士の死霊の砦にはいってしまったのです。そして、追いかけられたのです」
「死霊の砦に入って、生きているのはすごいぞ」とコング。
「ブヒー。ヘビに助けられました」
「私のヘビだね。助かってよかったよ。さあ、みんなもお疲れだ。ゆっくり休むよ」
長い夜は終わった。皆は眠りについた。
次の朝、コングは早起きして、草むらにいるミンクーを集めた。
そして、魔女と剣ミンクーをすべて治療した。剣ミンクーはお礼を言い、
また自分たちの村に戻って行った。
「やれやれ、大変だったよ」魔女はどかっと椅子にもたれた。
「世話になった。礼を言う。そろそろ俺は旅に出る」コングが言った。
「もう行くのかい。黒の国の奴らには気をつけるのだよ。あの子はどうするんだい?」
魔女が尋ねた。
「俺が連れて行くのか?知らない子だぞ」