第5話 コングと魔女と剣ミンクー
「あの子は・・ちいはどうしているかな?」とコング。
「ミンクーを連れて行ったね。やはり違う世界とやらがあるのだね」
「魔法で何か見えないのか?その世界とか」
「さすがに無理ね」魔女も諦め顔だ。
外で大きな音がした。剣と剣がぶつかり合う音だ。
「なんだ?」コングは窓から外を見た。剣を持ったミンクーに似ているが、
少しがっちりしている生き物が大勢戦っている
。
「剣ミンクーさ。今日は戦いの日なのだね。この所、内戦ばかりしている。
この国も良くない事が起こり始めているのさ。黒の国の噂は聞いたかい?」魔女はコングに尋ねた。
「噂で聞いた事がある。黒の国の魔物が、少しずつ結界を超えて、こっちに来ていると」
コングは険しい表情になった。
剣ミンクーの戦いはさらに熱をあびた。
「今夜は忙しいね」魔女がため息をついた。「なぜだ」コングが聞いた。
「あの剣ミンクーたちが戦いで負傷する者がいるだろう。それがこっちにくるのさ」
「治療するのか?」剣ミンクーの数は100ぐらいいる。コングはぞっとした。
「まぁ、私の魔法は使わないけどね。もっぱらミンクーが治してくれる。
でも夜はミンクーたちがいなくてね。ミンクーは夜行性じゃないから。
私の魔法は回復が少ししかできなくてね。悪いがミンクーを探してきてくれるかね?
お城に少しばかりいるんだよ」
「探してくる」コングは立ち上がった
剣ミンクーの剣と剣がぶつかり合う音がまだする。
お城をくまなく探したが、3匹のミンクーしかコングは探しだせなかった。
時刻は夜の12時を回っていた。
「これで全部だ」コングは3匹を魔女に差し出した。
「少ないね。仕方がないね」魔女は窓から外を見た。剣ミンクーの戦いは終わったようだ
。
魔女のお城の入り口にたくさんの負傷した剣ミンクーがいた。
「入れてください」入口の扉をノックしている。
「さあ、来たよ。開けてあげるかね」
「フリザコン!」呪文を唱えて結界を解いて扉が開いた。剣ミンクーがブワッと押し寄せてきた。
「痛いです」「助けてください」皆、助けを求め、ぶつぶつ言っている。
魔女は剣ミンクーに呪文を唱えた。
「パリント」一匹の剣ミンクーのキズが治った」
「一匹ずつやるのか?時間がかかりそうだな」コングは心配した。
「だから今夜だけでは無理だ。明日の朝にまた新たにミンクーたちを捕まえてやるしかない。
さあ、次の番だよ。治してあげるよ」魔女もコングも眠たかったが、頑張った。