表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/56

リン、初めての魔力感知

 調剤棟での快適な生活を過ごしながらリンは、調剤棟1階を探索していった。劣化防止の保管庫があるので他にも何かないかと見て回る。以前は、薬師が住み込みしていたので厨房がある。


厨房といえば魔石コンロと保冷庫があるがともに魔石を交換しないと使えない。魔石代金は自分持ちかなと思いながら、まだ使えるか魔石の色御確認する。魔石の色を見ようと魔石に触れた時指先からピリッとした。のちに何かが体から抜けていった。


 鼓動が急激に増えた。指を魔石から離した。指に傷などない。もう一度魔石に触れると同じように体から何かが魔石に流れた。魔石は透明から赤色に変わっていた。


 保冷庫の魔石も同じように指で触ったら魔石は青色になった。魔石の色の変化に驚いているうちに、体から力が抜けて尻もちをついた。

そのまま力が出ないので尻もちをついたままいた。気が付いたら夜中だった。

動けることを確認してとりあえず部屋に戻り軽く食事をとる。少し怠さがあるが、魔石コンロと保冷庫が使えるか試してみたかった。


 魔石コンロのスイッチをつまむと赤い炎が光る。暖かな空気が流れる。保冷庫を開ける。薄明るい光と共に冷気が流れてきた。

凄い!これで料理が作れるし保管もできる。配達される食事も保管できる。今までは薬草保管室の隅に置いていたのだ。


 以前、ゴンばーが夜仕事のとき 

「魔石ランプを自分の魔力で補充出来たら便利だね。ろうそく代が浮いて助かるのに」

と言っていた。その時、魔力はこの世のすべての人間や動物や植物が多い、少ないはあれど持っていると知った。


 魔力が無くなれば死んでしまうと言っていた。魔力とは何か?何に使えるか 何も知らない。だって、庶民なんてほとんど昔話の魔女の話だ。魔力があれば魔石に、魔力を流せば再利用ができる。すごく便利ぐらいにしか思わなかった。


 リンはまだ自分に魔力があるなど分からなかった。夜布団の中で体から抜ける時の魔力?の動きがいつまでも体の中に残った。体の中に蛇を飼っているようで気持ち悪かった。


 それからは体の中の蛇(魔力)を意識するようになった。部屋の魔石ストーブやシャワーのお湯出し、魔石ランプ、あちこちに使われている魔石が気になった。便利な魔道具を発見しては魔力を流していった。


 あちこちにある魔石に魔力を補充して、色々な魔道具を動かすことが楽しかった。魔道具は魔石を使うだけでなく使用開始時に魔力を少し流すことで作動するものも多い。魔力を流せる者がいなかったのか、これらの便利な魔道具は使われていなかった。


 パイロンもローストも魔道具の存在に気が付いていない。購入するには大金がいっただろうに、宝の持ち腐れ。これらを売っただけでも大金が動く。貴族なのに知らないことが不思議だ。それだけここに興味がなかった。リンはパイロンに教えない。なぜ知ったかを説明できないからだ。


 魔道具のおかげで調剤は、さらに順調にできるようになった。保管庫の中に 隠し扉があり余剰分の薬を保管して置くことにした。畑で出来た薬草を使って 調剤もできる。暖かくなると野菜も実り果物も取れるようになる。快適な独り暮らしだ。

誤字脱字報告ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ