薬師パイロンのひとり言
薬師の資格は取っても パイロンは 仕事する気がない
リンだよりは、見習いの時と変わらない
僕は、モーリアス子爵の長男、パイロン。どうにか薬師になれて実家に戻ることが出来た。父が貴族用の薬種商会をしている。それなのに父は薬師の資格はもっていない。昔から勤めていた薬師が経営方針?かなんか揉めて辞めて、今は誰もいない。
俺は父に自分で薬師の資格を取れと言いたい。まぁ、仕方ないかも。父は、人に頭を下げられないから薬師見習いなんてできない。
薬種商会は最初は叔母さんが跡を継ぐ予定だったんだ。叔母さんの家族が10年間前に事故で亡くなって急遽父上が引き継いだ。
薬種商会は、別に商会長が薬師でなくてもいい。薬に詳しくないと仕事にならない。それに、お祖父様が薬師資格がない者には、商会も子爵位も譲らないと言っている。
それで、僕は頭だけは妹より良かったから、薬師資格を取ることになった。
商会は父が回してくれているから、僕は、適当に薬作るぐらいでいいらしい。それに僕は学院に編入しないとならない。貴族の義務だからね。
あと2年しか学生生活がないなんて、ほんと残念だよ。
みんな楽しくやっている。やっと自由に過ごせるんだから、僕をあてにしないで欲しい。
僕が子爵位受け継いだら、自分では調剤なんかしないよ。薬草なんかで変な匂いをさせたり手を汚したくない。そこで僕は良い人を見つけた。リンは薬の事色々知っているし調剤もできる。
薬師の資格が無くても、僕の名前で商品を出すのだから困らない。僕より仕事できるし薬師資格を取れると思うぐらい優秀なんだ。僕の合格のために一緒に勉強を手伝ってくれた。絶対に父も助かると思うんだ。
リンは、頭がいい。一緒に辞めたら引き抜きと思われるから、半年後に辞めると言っていた。あと調剤室に必要な物を書き出してくれた。準備しておくことも説明してくれた。本当に助かる。
調剤棟なんて1年ぐらい誰も入っていないんじゃないかな。とりあえず、掃除をしてもらって器材の準備かな?いざとなったらリンに丸投げかな。
住み込みだから充分時間がある。そうそう、リンは男装するらしい。父は女好きだから男装の方が、母の手前も良いと思う。
僕は貴族の令嬢としか結婚しないから、リンが男でも女でも関係ない。ともかく薬師を雇うまでは、リンに手伝ってもらいたい。
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