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「けがや病ではないらしい、原因が不明なのだ、
マリエッタは最高位解毒魔法が使える、
駄目かもしれないが、試して欲しいとの依頼だ」
少しでも可能性がある事は試してみたいと言う事なのだろう、
親としての気持ちは分かる、しかし。
「王子と仲が悪い人なのでしょう?」
「民の命がかかっている」
自分を嫌っている人からの依頼でも、
迷わず、困っている人を助ける道を選べる。
ああ、王子はこうゆう人だった。
そんな所が・・・
「王子の事、好きよ」
何となく、口をついて出る。
王子は目に見えて狼狽しており、耳が赤くなっている。
表情があまり変わらない人なのに珍しい・・・
私は、淡々とそんな王子の様子を見ていた。
「えっと、それでは・・・」
「ええ、ご子息の様子、見てみるわ、
私に何かできるかは不明だけど」
「ありがとう」
「いいえ~」
そう言って、昼食を食べた。