14-1 グノワール卿の子息を助けよ!
大臣と仲良くなって驚いたのが、貴族との関係だった。
王に忠誠を誓い、領地の運営を任されている、
代々の貴族は、王や大臣達と仲が良いが、
ギルドや教会で功績を上げ、一代のみの貴族になった者は、
王に忠誠を誓っている訳ではなく、
むしろ王宮ができなかった事をして、貴族に認められた者は、
王宮にとって、扱いにくく、仲が悪い訳ではないが、
王宮としては、威厳を保つのに苦労をしているようだった。
学園にいた頃は、ドレスや名声に憧れ、貴族を目指していたが、
今の生活を考えると、貴族になろうと言う思いは、
ほとんど消えていた。
そんな時、『土木師』ギルドで功績を上げた、
ある貴族が王の元にやってきた。
リタの話を聞くと、一代限りの貴族で、
あまり王子との関係は良くないようだった。
王族ともなると、いろんな人間関係で苦労する事もあるのね、
と気軽に考えていると、王子からお昼の食事の時、その貴族の話があった。
「王から頼まれたのだが、グノワール卿の子息の様子を見て欲しい」
普通、民は名前だけだが、王族、貴族には苗字が付く、
グノワールが苗字で、卿が一代限りの貴族である事を表している。
「『土木師』ギルドで功績を上げた人なのでしょう?
その人の息子の体調がおかしいのですか?」
単なるけがぐらいなら、すぐ直してしまえるはずだ、
それでもとなると不治の病か・・・・