92/125
12-1 名前を呼んで
マリエッタは少し落ち込んでいた。
可愛くて仕方なかったリリィが、元気になったからと、
騎士団長のガルファによって、大臣の1人の奥様に、
引き取られていったのだ。
王宮にモンスターがいるのは、あまり良くないらしい。
確かに、リリィはカーテンがひらひら動くのが面白かったのか、
じゃれついて、駄目にしたばかりだったので、
あまり強く抗議はできなかった。
う~可愛かったのに~
すっかり、リリィに夢中になっていたので、
寂しさはなかなか抜けきれない。
そんな事を思っていると、王子から話があった、
夜部屋に来て欲しいと言う事だ、
そう言えばリリィで、もふもふしていたので、
王子との”もふもふタイム”はずいぶんお預けだった。
そもそも、”もふもふタイム”は、王子にお願いしたものだし、
王子の負担になっているのかもと言う思いもあった。
夜、王子の部屋を訪ねると、王子はすぐ聖獣の姿になり、
ラグに寝そべった。
これは撫でろと言う事なのだろうか?
何もしていないのに、尻尾はパタパタ動いている。