91/125
11-4
ガルファは王子の言葉に驚きつつも、その言葉を正確に理解した。
つまり王子は、マリエッタ様に撫でてもらって、名前を呼んでもらって、
一緒に寝たい。
それを全部やっているリリィが気に入らない。
要は、単なる嫉妬である。
王子は、自分が嫉妬している事に、無自覚で、
それが剣技に現れてしまっている。
ガルファはなんだか、王子が不憫に思えてきた。
「分かりました、アーミーキャットの引き取り手を探してみます」
その言葉に、分かりにくいものの、
明かに、王子はほっとして、喜んでいるようだった。
ここまで、マリエッタ様に心を奪われているとは・・・・
嫉妬も無自覚なのだ、恋心もどこまで自覚されているか、
分からない。
そうゆう事に、とことん鈍い方だからな~と思いながら。
とりあえず、今は一緒に寝るのは難しくても、
名前ぐらいは呼んでもらえたらいいですね、と。
王子に忠実な騎士団長は、心の中で願ったのだった。