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とにかく、何をするにも、マリエッタとリリィは一緒なのだ。
リリィはマリエッタを母親と思っているらしく、
マリエッタの後ろをちょこちょことついていく。
お昼のランチもリリィと一緒だし、
マリエッタの話は、リリィの事ばかりだ。
ダンスの練習の時も、俺がステップを間違え、
マリエッタが転びそうになるのを、
リフトして誤魔化したら。
マリエッタが「きゃ!」と声を上げるのを聞いて、
リリィが俺の足に纏わりついた。
マリエッタは、
「大丈夫よ、私を助けようとしてくれたのね」
と、リリィを抱きしめてスリスリしていたが、
とにかく、とことん、俺をマリエッタの時間を邪魔してくる。
「可愛いですし、無害ですし、別にいいのでわ?」
ガルファは俺の気持ちも知らず、のん気に言う。
「良くない」
むすっとして言う俺に、呆れたように、ガルファが言う。
「何が良くないんです?」
「リリィは、マリエッタになでなでしてもらって、
名前を呼んでもらって、一緒に寝てるんだぞ!」
その言葉をガルファは驚いたように聞いていた。