87/125
10-4
顔の前にお皿を置いてやると、最初は、ふんふんと鼻でかいでいたのが、
チロチロと舐め始め、食事だと気付いてからは、お皿に顔を
突っ込むので、お皿がひっくり返らないよう、押さえていないと、
いけなかった。
「もう、誰も取ったりしないから」
その言葉も聞こえてないようで、必死でお皿の乳を食べている。
これだけ食べれたら、大丈夫そうね。
完全に食べ終え、こちらをみた顔は、ミルクだらけで、
白っぽくなっていて、思わず微笑んでしまった。
「ミィヤー」
催促するように、声を上げる。
「まだ食べるの?」
マチルダに先ほどの半分ほど、追加を頼む。
最初のだけで、だいぶあったのに、そんなに食べていなかったのだろうか。
追加が来て、それも一気にかぶりつく。
「その体のどこに、そんな沢山のミルクが入るのやら、
これ飲んだらもうお終いだからね」
一心不乱に乳にかぶりつくアーミーキャットに、
優しく言葉をかけた。