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「この子、預かってもいいかしら?」
「マリエッタ様がですか?」
『騎士』と『治癒師』は顔を見合わせ合う。
「昔飼ってたの」
そう笑顔で言うと、それならと、アーミーキャットを手渡してくれた。
「ありがとう」
そう言って、部屋に戻る。
ふわふわの洗濯されたタオルに包んで、優しく撫でてやる。
「マチルダ、悪いんだけど、調理場に行って、
ホルスタインの乳を少しだけ温めたのをもらってきてくれない?」
「かしこまりました」
マチルダが部屋を出ていったのを見て、リタと話す。
「まだ子供ですね」
「そうね、まだ1か月って所かしら、それで木に登れるんだから、
さすがモンスターよね」
よく見ると爪はするどく、牙も生え始めている。
「落ち着いたら、まず爪切りしないとね」
そうしていると、マチルダが少し深めのお皿いっぱいに、
ホルスタインの乳を持って戻ってきた