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「皆さん、集まってどうされたのですか?」
そう声をかけると、皆私を見て礼をする。
後で知ったのだが、上級侍女は大臣と同じ位で、
かなり偉い人になるらしい。
「実は、この子なのですが」
ある騎士の腕の中には、小さな生き物がいた。
ずいぶん衰弱していたようだが、どうやら『治癒師』が
回復魔法をかけ、少し元気になったようだ。
「ウミャー」
と弱々しい声が聞こえる。
「アーミーキャット?」
「そうです、母親とはぐれたらしく、
木の上で動く事もできず、衰弱している所を保護しました」
アーミーキャットは、モンスターではあるが、
農作物をあらす昆虫を食べるので、基本討伐の対象にならない。
野生だと噛みつかれたりすると、深い傷を負うので、
油断はできないが、子供の頃から飼いならすと、
人間に慣れて、ペットとして飼う事も可能である。
茶色い毛をブルブル震わせ、小さい前足を、
懸命に動かしている。
その姿に、私の心はズキューンと来た、
うっっかわっいい~