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それから、ファイヤーグリスリーの討伐に向かった。
ファイヤーグリスリーの好きそうな、
森の奥で川も流れている。
水が弱点なのに、水場を好むのは、
自身の火を調整する為だと言われている。
平原と違い、森奥は動きが制限され、川の近くは足場も悪い、
『魔法使い』達は、動きにくそうにしていた。
「『魔法使い』達は、さほど動けないだろう、
ある程度のポイントに、配置した方がよさそうだ」
「しかし、それでは攻撃の威力が弱まるおそれが・・・」
現地の騎士と共に作戦を立てていく。
この森はきちんとした地図も作られてないらしく、
なかばカンで対応する事になる。
「こちらにも『魔法使い』を配置してくれ」
「この外れにですか?」
「ああ、気配がする」
3匹のグループで行動しているとの報告があったが、
1匹だけはぐれているようだった。
「まず、この1匹から片付けよう」
村人では、恐怖に震えるしかないモンスターも、
1匹でも討伐されたと知ったら、
皆の指揮も上がり、恐怖も安らぐだろう。
もちろん、集団より1匹の方が倒しやすい、
とっとと片づけたい所だ。