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「ファイヤーグリスリーの討伐ですか?」
ここ3か月、毎日のお約束になった、マリエッタ命名
”もふもふタイム”でマリエッタに話した。
「しばらく、留守にする」
「そうですか」
と、どこかしょんぼりした顔で、毛をなでる。
「『魔法使い』、騎士も沢山いる、心配はない」
「うーん、しかし、ファイヤーグリスリーって、
火を使うんですよね」
「そうだが?」
「毛、焦げちゃったら、嫌だなと思って」
心配してくれているのか、微妙な返事が返ってくる。
気にかける所は毛なのか?
でも確かに、自分はさして気にしてなかったが、
少し毛が炎でちじれるぐらいは、ありそうだ。
「気を付ける」
「よろしくお願いします」
そう言って、もふもふ~とご機嫌に俺の毛をなでる、
「そんなに気持ちいいか?」
「もちろんです!」
力いっぱい返事が返ってきて、ならいいかと、
撫でられるままに、身を任せていた。