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9-1 王子の討伐戦
「ファイヤーグリスリー?」
騎士団長のガルファから報告を受ける。
「はい、王子」
ファイヤーグリスリーは炎を操る、大きな熊に似たモンスターで、
炎を操るだけあって、火事などおおきな災害になりやすい。
「現地の騎士では対応しきれず、冒険者も手も焼いているとか」
まだ大きな被害は出ていないようだが、
確かに早急に手を打つ必要のある案件のようだ。
しかも、6匹。
討伐方法も考える必要がある。
「群れで動いているのか?」
「3頭の群れが二つのようです」
6頭一気よりはましだが、それでも困難は容易に推測される。
「高位水魔法を使える『魔法使い』を十数名用意します」
俺はうなずく。
「ひるんだ隙に、王子に弱点の首に攻撃して頂き、
弱った所を騎士達が攻撃するのが良いかと」
ガルファの案が、最善のように思える。
「至急、討伐する必要があるな、すぐ出よう」
「ありがとうございます」
頭を下げるガルファを見て、気合を入れた。