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「それで、私の出番って訳ね」
リタに確認する。
「マリエッタ様のお仕事は、王子を起こす事、
後、昼食を王子とご一緒に召し上がって頂く事、
後、王子のダンスの練習相手になって頂く事です」
ふんふんと頷く。
「報酬は一か月50万クローネです」
「50万?」
普通の仕事の3倍以上の値段である。
「少ないでしょうか?」
そう言われて、首を横に振る。
起こして、食事して、ダンスして、50万クローネ。
「十分よ、本当にそれだけでいいの?」
「今まで被害甚大で、誰もやりたがらなかった事です、
マリエッタ様には王宮の皆が感謝しております」
うーん、ダンスは学園でもかなりの腕前で、先生にも褒められていたし、
感謝される程の仕事って感じではないんだけど・・・
「それに、王妃になられた時の、予行練習にもなります」
そうか、王子も結婚する。
その時、私でお妃様にどう対応するか、練習しておけば、
安心って訳ね。
それを聞いて、上級侍女としての仕事を立派にこなそうと決意した。