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「王子が起きられましたよ」
そう言うと、皆の顔が驚きに溢れ、周りの人とひそひそ話始める。
「え、もう?」
「信じられない」
「被害なし?」
そんなひそひそ話が耳に飛び込んで来る。
そんな中、ベテランと思われる女性が、部屋を覗き、
王子の上半身が起きている事を確認すると、
「さあ、いきますよ」
と王子の部屋に入っていった。
王子の洋服は、その日のスケジュールによって違う為、
担当の人が用意する、
他にも、料理を運ぶ人も決まっている為、
私がする事は本当に起こしただけだ。
それぞれの担当の人が、王子の世話をしているのを確認してから、
私はリタに促され、自室に戻る。
「あの・・・本当に起こしただけなんだけど、本当にいいの?」
「本当にいいんです、ああ、素晴らしい」
感激してるリタに、詳しく話を聞いてみる。