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朝食には、バゲットにハム、レタスを挟んだ物と、
フレッシュなジュース、サラダ、スープが用意される。
昨日夕飯を食べただけなのに、全部が好物で、
しかも美味しい、私の好みを完全に把握している。
王宮ってなんて素晴らしいのかしらと、
感激しながら、食事をしていく。
朝食が終わると、マチルダが髪を結い、化粧を施す。
母に王宮に行く時、ちょこっと化粧をしてもらったが、
それとは雲泥の差!
もう、これは別人なのでは?と疑いたくなる私が、
鏡に映っていた。
マチルダ、流石王宮侍女!
鏡に映った自分をまじまじと見ると、
にやけた顔の私が映る。
これでも女の端くれ、綺麗になって嬉しくない訳がない。
「マチルダって凄いのね!」
「ありがとうございます」
控えめに礼をいうマチルダを好意的に見る。
ついてくれる侍女が良い人なら、
王宮での生活は何倍も楽しいものになるだろう。