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私には父はいず、母と二人暮らし、
父は木こりだったが、私が幼い頃、モンスターに遭遇して、
襲われ亡くなったと聞いている。
なので、物心ついた時から父の記憶はない。
しかし、母は回復呪文のかなりの使い手で、
治療院で大活躍している、その報酬で十分な生活ができているので、
父がいなくても何一つ不自由した事はない、
この国で、片親や、両親がいない事など、珍しくもなんともないのだ。
なので、そういった子供の為、教会では、
親が仕事をしている間、子供の面倒をみてくれるシステムがある、
国がきちんと補助を出し、不正がないよう組織化されているので、
この国の王がいい王様で、本当に良かったと思う。
母にあまりかまってもらえなかったのは、少し寂しいけど、
シスターや、他の子供たち、沢山の人に囲まれて育った私は、
とても恵まれていると思う。
そうやって、海岸までの道のりを歩いていると、
市が見えてきた。
「凄い人」
いつもの事だが、人、人、人、
ぶつからないように歩くのが、一苦労。
1つの露店に到着し、品物を見るが、
次に見たい人に押され、とてもじっくり商品を見る暇はない。