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王子は観念したかのように、大きなラグのあるスペースに座る、
座ると言っても、前足と後ろ足を折りたたんで、
お腹を見せないように座っている。
どうやら、まだ警戒されているようだ。
それも仕方ないよねと思いながら、手を伸ばす。
「失礼します」
そう言って、首筋から腰にかけて、毛をとくようにすべられせる、
うわ~ふわふわ。
少し固めでしっかりした毛だが、驚く程なめらかで、さらさら、
しばらく夢中になって、毛をなでていた。
ああ、もふもふ~幸せ~
そうして、耳の裏辺りをなでていると、
ゴロゴロと喉を鳴らす音がした、どうやら王子も気持ちがいいらしい。
だったらこれは?と
喉の辺りを撫でてみる、昔飼ってたアーミーキャットは、
こうすると凄く喜んだのよね。
すると、目を細め、ずっと喉をゴロゴロ鳴らし、
尻尾もパタパタと揺れている。
「気持ちいいんですね~」
そう言うと、
「普通だ」
とぶっきらぼうに返ってくる。