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うう、食べすぎたかも。
食事を終え、ソファでくつろいでいると、
侍女が声をかけてきた。
「マリエッタ様、王子が少しお話をされたいそうです」
「王子が?」
「テラスにご案内するようにとの事ですが、
いかがなされますか?」
そうねえと考えてから。
「じゃあ、案内お願い」
そう言って、侍女に続いて、テラスに向かう。
テラスには、月に照らされた王子が待っていた。
うーん格好いい、絵になるって、こうゆう事をいうんだろうな。
王子の髪が風にゆれ、複雑な陰影を作る。
相変わらず、ぶっきらぼうで、冷たい表情、
でも、私の中では、シードラゴンの毒を自分の身に受けた
姿の方がずっと印象に残っていた。
『勇者』
その職業に相応しい、多くの人を守ってきた人。