7-2
ガルとのチャットを終え、1000万クローネの仕事をした事も相まって、
鼻歌まじりに家に向かっていると、騎士が1人、家に来ていた。
どうやら、母が対応しているらしいが、
母らしくなく、焦りが見える。
「あ、帰ってきた」
「ただいま」
母は、見つけるやいなや、私を家の中に連れ込み、
箪笥から、一番上等なピンクのフリルのついた服を出し、
今来ている服を脱がし始める。
「母さん、何?」
「私も良く分かってないけど、褒章があるみたい、
王様にお会いするから、ちゃんとした格好しないと」
王様・褒章ときて、ピンときた。
おそらく王子を最高位解毒魔法で救った事を言っているのだろう、
あれからいろいろありすぎて、私の中では、
遥か昔の出来事のように感じていた。
本来、王宮へは招集の手紙が送られるのが普通だが、
王宮へ来る意思の確認と、その人物が怪しい人物でないか確認の為、
わざわざ、騎士が迎えに来たらしい。
特に褒章などいらないが、わざわざ迎えがきているのだ、
無理に断っても、よけい面倒な事になるだけだろう。
「王宮の料理、食べられるのかな」
のんきな私の発言に、母は呆れながらも、
顔におしろいを塗り、精一杯のおしゃれをしてくれた。