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そう言うと、ディバインさんは戸を開け、
廊下にいた人に指示を出す。
暫くして、解毒草から抽出された液体が、
銀の樽一杯に入って持ち込まれた。
「こちらにお願いしたいのです
成功すれば1000万クローネお支払いします」
ほとんど役立たず魔法で1000万!
なんだか詐欺のような気もするが、頭を下げ、
真剣にお願いするディバインさんに、
おちゃらけた事を言うのも気が引け、
真剣な顔を作って、銀の樽に向かう。
手をかざし、呪文を詠唱する、樽の上に魔法陣が現れる、
ここ数日魔法を使ってなかったので、MPはフルにある、
失敗する事もないだろう。
「最高位解毒魔法」
私の呪文と共に、魔法がかかる。
ディバインさんは、こんなにあっさり?と驚いているようだった。
「できましたよ」
「あ、う、え、ええ、ありがとうございます」
「それじゃあ、私はこれで」
「は、はい、お金は振り込ませて頂きます」
「分かりました」
今だ驚いた顔をしているディバインさんを後目に、
ギルドを去ったのであった。