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「マリエッタ様にお願いがございまして」
おお、様付け。
本当にどうしたのだろう?
「ある薬品に最高位解毒魔法をかけて頂きたいのです」
その言葉にピンとくる、
解毒薬を作る場合、解毒作用のある薬草を抽出するのだが、
そこに魔法で効果を上げると、値段が3倍程に上がる。
しかし、解毒薬に使う魔法なら、普通の解毒魔法、
良くて高位解毒魔法でいいはず。
「どうして最高位解毒魔法なのですか?」
「とある貴族の方なのですが、長年の戦闘で、
何種類もの毒を受け、体がスムーズに動かない方がいらっしゃるのです、
1種類、せめて3種類程なら、高位解毒魔法で十分なのですが、
それ以上となると・・・」
なるほど、蓄積された毒が、複雑すぎて、
普通の解毒薬では解毒できないと言う事だろう。
「その貴族の方が、いつも解毒薬を飲んでいらっしゃるのですが、
可能なら、最高位解毒魔法がかかった薬を飲んでみたいと、
ご希望なのです」
なるほど、それなら断る理由もない。
「分かりました」