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最高位解毒魔法に使うスキルポイントは非常に多い、
逆に、1つこのスキルを身につけてしまえば、
王宮で重宝され、安泰できる程のスキルでもある。
しかし、その事も、冒険者の『聖者』を目指していた
少女にとっては、慰めにはならなかったのだろう。
必須の防御魔法は、習得はほぼ不可能。
冒険者になれなければ、さほどレベルは上がらず、
『治癒師』にはなれても『聖者』にはなれない、
そして、『治癒師』と『聖者』では、
ステータスに天地程の差がある。
黙り込む王子が、少女の事を気にかけている事が分かる、
王は時に非情にならなければならない時がある、
多くを守るために、少ない何かを犠牲にする判断を、
下す事も必要だ。
それでも、今は1人の少女を案ずる王子を、
王は温かな目で見ていた。
「とにかく、マリエッタ嬢を王宮に呼び、褒章を取らせよう」
「大臣にそのように伝えます」
ガルファが答える。
「かの令嬢が何を言われるかは分からん、覚悟は良いか?」
そう言って王は王子を見る。
「はい」
短い返事には、恨みも、憎しみも、全て受け止める覚悟を感じ、
そんな息子を、王は頼もしく見つめた。