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そう言われて、3階に上がり、足を踏み入れたのは、
今まで見た事もない豪華絢爛な部屋だった。
調度品一つとっても、普通の市民10年分の値段がしそうな物が、
いくつも置かれている。
そこに、人好きのする笑顔の40代ぐらいに見える、
ひょろりとした、男性が入って来た。
「お待たせいたしました、副支部長のディバインでございます」
国一番の冒険者ギルドの副支部長!
あまりの大物の登場に、完全に固まってしまった。
うん、ここは全てガルに任せよう!
ガルは高級そうな革に、また高級そうな毛皮がかかった
ソファーにどさりと腰を下ろす。
私も小さくなりながら、ガルに習い、ソファーにちょこんと
座った。
すると、お尻の重さでソファーが沈み、おおおと声にならない声を上げる、
高級なソファーは重さで沈む物だという事を始めて知った。
ガルとディバインは、短い言葉でいくつか話してる、
話が苦手なガルに、上手く必要な情報を聞き出す手腕は、
流石、副支部長と感嘆した。