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「でも、報酬が・・・」
パーティは5人まで組める、もちろんそれ以上の大規模な戦いもあるが、
パーティとして登録できるのは5人までだ、
パーティを組むと、倒したモンスターの経験値が均等に入るのと、
モンスターを倒した報酬が人数によって分けられる、
つまり、足手まどいとパーティを組むと、
役に立たない上、報酬が減るので、嫌がられるのだ。
「報酬は『聖者』になった時、最高位回復魔法をかけて欲しい」
『聖者』のみが使える、最高位回復魔法。
その効果は絶大だが、『聖者』自体の数が少なく、
大量のMPを消費する為、この魔法を受けられるのは限られた人、
になってしまう。
確かに、常に最高位回復魔法をかけれる仲間がいれば、
大きな力になるだろう、でも・・・
「私、『聖者』になれるか分からないわよ?」
「それはそれだな、別になれなくてもかまわない」
「かまわないって・・・・」
あまりもの適当な男の言葉に、こちらが呆れかえる。
「ジャスティスの値段いくらだ?」
その言葉に、迷ったあげく、領収書を見せる、
そこには200クローネと書かれていた、
ちなみに男の値段は300クローネ。
男が言った、高ければ3000クローネと言う料金を信じるなら、
この男も只者ではない事になる。
「このウエーターと同じだ、将来を買うだけだ」
私にそれだけの価値があるのか、わからない、
でも、この男と手を組む事が、一度は諦めた、『賢者』への、
唯一の道である事は確かだった。