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酒場の門を開け、カウンターの一番奥まった席に座る。
酒場は広く、まだ昼前だと言うのに、
半分以上の席が埋まっていた、
さすが、国一番の酒場。
「オーダーは?」
ウエートレスに聞かれる。
「えっと、メニューとかは?」
「うちには、お勧め、ビーラー、ステッチ、ジャスティスしかありません」
つまり、料理はお勧めの1種類のみ、
ビーラー、スティチは酒、
ソフトドリンクはジャスティス1種類のみと言う事だ。
あまりのメニューの少なさに唖然としながらも、
では、とジャスティスを頼む。
「分かりました」
とウエートレス伝票を切って、奥に入って行った。
うつむき加減にカウンターを見る、
あんなに憧れた店、そこにいるのに、心は少しも踊らなかった。
多分、この店に来るのも、最初で最後だろう・・・
そうやって、カウンターの隅でジャスティスを待っていると、
いろんな冒険者の声が耳に飛び込んできた。